今週のThunderbird Status Meetingより(2009-01-06実施)。Thunderbird 3のリリース候補版について、スケジュール草案が示された。
"Straw Man Schedule"と銘打たれているが、straw manには架空の議論の相手という意味があるので、意訳すれば「スケジュールのたたき台」といったところか。
2008-11-14 2009-02-02 2009-03-03 3.0b1 string freeze 3.0b2 string freeze 3.0 string freeze | | | ======+======+==================+====+================+========+========= | | | 3.0b1 code freeze 3.0b2 code freeze 3.0rc1 code freeze 2008-11-18 2009-02-05 2009-03-31 ^ | | 3.0 feature freeze 3.0 extension API freeze
Beta 2を2月中に出し、β版のフェーズはそれで終了。APIなどの仕様はそこで固定される。RC1は4月初めのリリースを見込む。
とはいえ、これまでも進行が遅れに遅れてきたのがThunderbird 3の開発である。上記スケジュールは、あくまで理想的に進んだケースと考えたほうがいいだろう。実際、開発者会議でも、この案を現実的なものにするには、blocking bug(最も重大なバグ)の数を急いで減らさないといけないとの意見が出ている。つまり、まともに実現させようとすればデスマーチになる。
もう一つ、Thunderbirdとは別の部分で非常に気になったのは、"Draw up a straw man schedule for shipping one month after Firefox
"という記述だ。Firefoxから1か月後に出荷するために上記スケジュール案を作ったというのだが、目的語が不明だ。
TB RC1が4月初めという話だから、これを基準にしているのなら、Firefox 3.1が3月上旬にリリースされることになるが、1月下旬にようやくBeta 3という状況で、3月上旬リリースは考えにくい。とすれば、Thunderbird 3の正式版を念頭に置いているはずだが、この場合、Firefox 3.1の正式版が4月以降になってしまう。
Thunderbirdの開発責任者たちは、おそらくFirefoxの主要開発陣から内部情報を得ているだろう。だからこそ、上に挙げた記述は不気味なのだ。
(09/01/07追記:後半部分についてはコメントの議論も参照のこと)
(09/01/21追記:「Thunderbird 3 Beta 2のリリーススケジュールその他」にその後の動向を記載)