Mozilla Flux

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Firefox 3.6 Beta revision 5での修正のポイント

かなり間が空いてしまったが、Firefox 3.6 Beta revision 5で修正されたバグから、目立ったものをピックアップしておこう。

ちなみに、リリースノートでは100個以上のバグ修正とされているが、実際のリストをみると、修正済みが128個となっている。ただ、モバイル向けの修正が少なくないし、安定性を向上させるための修正が多くを占めているので、目を引くものが減ってきているのは確か。

  1. DLL Blocking機能の具体化
  2. getpersonas.comとの連携強化(Bug 518806
  3. 期限切れ履歴の扱いを変更(Bug 516940
  4. 新しいルート証明書の追加(Bug 528277

(1)componentsフォルダにインストールできるDLLファイルをホワイトリストによって定める機能がrevision 3から、ブラックリストに登録されたDLLファイルをFirefoxが読み込まないようにする機能がrevision 2から入っていた。最近になって、ブロックされるDLLリストホワイトリスト化で影響を受けるアプリケーション一覧が整備されつつある。

(2)revision 4で既に、アドオンマネージャのテーマペインで「新しいテーマを入手」を選ぶと、getpersonas.comに接続するようになっていた(Bug 522571)。revision 5では、最後のピースが埋まり、ついにPersonasとの統合が完成。テーマの中心は今後このペルソナが占め、従来のXPI形式のテーマは拡張機能に近い位置づけになるらしい。

(3)期限切れ履歴の消去処理について、終了時は500ページから100ページに減らす代わりに、アイドル時は25ページから100ページに増加させる。これによって、シャットダウン時の処理時間を減らすことができる。また、アイドル時の処理に関しても、これまで5分間隔で処理を行っていたのを、消去すべき履歴がなければ再チェックまで50分待機させるようにする。この変更でノートPCにかかるバッテリ負荷も低減するという。

(4)この点は、MozillaZine.jp『Firefox 3.6 Beta 5 がリリースされた』に詳しい説明がある。revision 5から政府認証基盤(GPKI:Government Public Key Infrastructure)による認証に対応した。GPKIは、日本政府が構築した公開鍵暗号方式によるデジタル署名を用いた認証システムだ。ネットを通じて行政機関に対する申請・届出やそれに対する結果の通知などを行う際、本人確認と改竄チェックの役目を担う。地味だが、この認証システムに対応したことで、日本の官公庁や企業がFirefoxを採用するための障害がひとつ取り除かれたといえるのではないか。なお、Firefox 3.5.8でも同様の修正がなされ、GPKIがサポートされる(Bug 527759)。
Firefox 3.6 RCはまだ見えないが、アドオンの対応率も12月29日時点で72%とまずまずの数字である。”Bug 536996 - nsISound is broken (Linux)”というBlockerの動向が気になるところではあるものの、Mozillaには一刻も早くリリース候補版を出してもらいたい。