Mozilla Flux

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Code Sprints続報

Firefox 3.5に追加されるかもしれないフロントエンド側の機能』で紹介した、フロントエンドの小プロジェクト、Code Sprintsは、各機能について熱心な開発が続けられている。しかも、プロジェクトの対象は拡大中だ。

たとえば、『Firefox 3.5 Beta 4で変更されるUI』で紹介したプライバシー欄の全面改修や、閉じたウィンドウのアンドゥ機能は、いずれもCode Sprintsに含まれることになった。

また、次のとおり既に作業が完了した機能もある。
Asynchronous Annotation Protocol Handler
Places Expiration Performance Refactoring
Bookmark Dialog Focus
Restore Visible Tabs First
これらはFirefox 3.5 Beta 4に投入されることになる。

しかし、ここにきて、About:TabがCode Sprintsに入ったのは意外だった。現在アドオンとして提供されているこの機能の詳細については、当ブログの『About:Tabアドオン』や『About:Tab 0.0.29と多少の解説』のほか、Another朝顔日記の『About:Tab 0.0.31』と『About:Tab 0.0.33』を参照していただきたい。

それらの記事を通読するとわかるが、まだまだ開発途上のアドオンであり、パフォーマンスも安定性もFirefoxのコア機能に含めるレベルにはほど遠い。にもかかわらず、直接の担当者ではないものの、mozilla.dev.planningの投稿から察するに、開発総責任者のMike Beltzner氏が強く押しているのだ。翻って、他のWebブラウザをみると、新しいタブを開いたときにタスクを提示する仕組みは、Opera、Google Chrome、IE8などで採用済みだ。こうした流れが、本来Firefox.nextで採用する予定だった機能を、前倒しで取り入れようとする動きにつながったとも考えられよう。

筆者はCode Sprintsの成果が一つでも多くFirefox 3.5に取り込まれればいいと思ってきたが、このAbout:Tabだけは避けるべきだと感じる。ユーザー体験に与える影響の大きさからすると、現状での採用は明らかに時期尚早だ。もともと、昨年秋にAza Raskin氏がAbout:Tabの原型となるアイデアを披露したとき、議論は大歓迎だがFirefox 3.1には採用できないと切り捨てたのは、Beltzner氏本人だった。いまさらなぜ意見を変えるのか、理解に苦しむ。