Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

Firefox 3.5 Beta 4で変更されるUI

Gecko 1.9.1の開発が遅れてFirefox 3.5のリリーススケジュールが延びたことは、反面、フロントエンドの開発チームに余裕を与えることにつながった。3.5には間に合わないと考えられていたユーザーインターフェイス(UI)の変更に、チャレンジできるようになった。とはいえ、Beta 4で仕様を固めなければいけないため、残された時間は限られており、また、タブ機能に手を入れるとアドオンへの影響が大きすぎる。

そうした考慮を踏まえ、Code Sprintsと呼ばれる小プロジェクトでは、主に二つの点で変更が加えられることに決まった。以前紹介した、「最近の履歴を消去」とロケーションバーに対する変更である。前者は、消去対象となるデータを細かくコントロールできるようにするもので、後者は既に開いているタブがヒットしたときにそれを知らせてくれるものだ。

実は、これら以外の点でもUIを変更しようという動きがある。特に目立つのが、"Bug 462041 - Refresh the Privacy preference pane"で、オプション画面のプライバシー欄の内容をごっそりと入れ替える計画だ。

(09/03/23追記)
Code Sprintsプロジェクトに追加で採用された。『Firefox 3.5に追加されるかもしれないフロントエンド側の機能』も参照。

まず、項目を「履歴」と「ロケーションバー」に整理してしまう。「ロケーションバー」のほうは、ユーザーがタイプした内容の検索対象を決めるもので、Beta 3の段階では「履歴」の中に組み込まれていたのを独立させたにすぎない。

一方、「履歴」は、「履歴を記憶する」「履歴を記憶しない」「履歴のカスタム設定を使う」の三つからユーザーが一つを選ぶと、項目の内容が変化する。うちカスタム設定の画面は、現在のプライバシー欄に近い。ただ、Firefoxのスタート時に自動的にプライベート・ブラウジング・モードに入る設定が加わった。

なお、アイコンも仮面舞踏会のマスクのものに変更されるようだ。筆者としては他のアイコンから浮いていると思うのだけれど、UIデザイナーであるAlex Faaborg氏のお気に入りだから仕方がない。

(09/03/23追記)Windows版のアイコンは次のようなデザインになる。

もう一つ、"Bug 394759 - Add undo close window feature"も紹介したい。履歴メニューに「最近閉じたウィンドウ」を加えるものだ。ウィンドウ内のタブがまとめて復元されるので、なかなか便利そうである。
(09/03/26追記)Code Sprintsプロジェクトに追加採用された

最後に、この追加変更がもたらすアドオンへの影響だが、たとえば、「Download Statusbar」は、プライバシー欄の「履歴」内に「ダウンロードしたファイルを記憶する」という項目を足すようになっている。こうしたケースでは、多少コードを書き換える必要があるかもしれない。ただ、全体的にみれば影響は小さいだろう。