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Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

速報:Firefox 55でDeveloper Editionの廃止が決定(追記あり)

Auroraチャンネルの廃止

4月1日だがエイプリルフールのウソ記事ではない。Mozilla Corp.でFirefox release management leadを務めるSylvestre Ledru氏は、米国時間の2017年3月31日、Firefox 54を最後にAuroraチャンネル(Developer Edition)を廃止する旨を明らかにした(Project Dawn or the end of Aurora)。Mozillaは2月のFOSDEM 2017で、Nightlyの品質が十分ならAuroraは不要になるとアピールしていたが、筆者の予想を超えた早さで実現する運びとなった。

Auroraチャンネルの廃止に伴い、そのままだと製品版のリリースが前倒しになるため、Firefox Nightly 55の開発サイクルを通常の2サイクル分とすることで調整を図る。具体的には、2017年6月12日までNightly 55が続いて、翌13日にFirefox 55のBeta 1がリリースされることになる。その後は通常の6~8週間の開発サイクルで、NightlyからBetaへと移行する。

もっとも、MozillaはBeta版が不安定になってよいと考えているわけではなく、Beta版に載せる品質に達していない機能は移行時に無効化される。また、Beta 1の時点で新機能をユーザーに対し段階的にロールアウトし、その結果を見ながらBetaチャンネル内で有効化するかどうかを最終的に決める場合もあるという。

これまでFirefox Developer Editionを使用していた開発者やヘビーユーザーは、新機能を取るならNightlyを、安定性を取るならBeta版をそれぞれ選択することになるだろう。Firefox 53以降、Developer Edition専用テーマに近いCompact Darkテーマが他のチャンネルでも使える(Bug 1314091)ようになっているため、移行後の外観が変わることもない。

なお、Auroraチャンネルの廃止はデスクトップ版とAndroid版に共通の措置だが、Android版AuroraユーザーをスムーズにNightlyに移行させる方法については検討中とされている。

廃止の背景事情

Auroraチャンネルの導入は2011年に遡る。Firefoxはバージョン5から高速リリースサイクルに移行し、当初"dev"、次いで"experimental"と呼ばれた開発チャンネルは、2011年4月までに現在の名称で呼ばれるようになった。その後、Firefoxのリリース10周年を迎えた2014年11月、Firefox Developer Editionとして開発者向けにアピールされることになった。

だが、Auroraチャンネルに対しては比較的早い段階からその存在に疑問符が付けられていた。たとえば、2013年10月に提案された「連結列車モデル」では、NightlyとBetaの期間を長く取る代わりに、Auroraの期間を短縮する開発サイクルになっていた。その背景事情として、Auroraのユーザー数が伸びなかったことが大きい。もともとNightlyユーザーの10倍程度になることが期待されていたのだが、Developer Editionとして宣伝を初めて優に2年以上が過ぎた現在でさえ、デスクトップ版Auroraの常用ユーザー数はNightlyの3~4倍にとどまっている。

Developer Editionの登場と同時期、2014年11月には、Mozilla Corp.でPrincipal Engineerを務めるL. David Baron氏が、事実上AuroraチャンネルとBetaチャンネルを統合し、Nightlyからリリースまでの間隔を短縮する旨の私案を公表している。ChromeがCanary、Beta、Releaseの3チャンネルになっていることを意識したとみられるが、この私案と今回の決定の類似性は明らかだろう。

Auroraチャンネルが廃止されれば、従来よりも新機能が迅速に一般ユーザーの手元に届く。チャンネル1つ分のビルド作業やテストが不要になるだけでなく、400~600ものパッチを追加投入(uplift)するコストも省ける。これらに釣り合うだけの品質向上というメリットがあればよいのだが、MozillaがFirefox 46から50までの後退バグを調査したところ、Nightlyサイクル中に見過ごされてそのままリリースまで行ってしまったケースが多いという。結局、Auroraチャンネルはこれを維持するだけの価値を示すことができず、今回の廃止決定に至った。

ユーザー数が相対的に多いデスクトップ版でもAuroraチャンネルがNightlyチャンネルに切り替わるのか、ローカライズにかける時間が足りなくなるという上記私案に対し示された懸念は解決したのかなど、現時点では不明確な点も残る。判明し次第、本記事に追記したい。

(17/04/22追記)
追記の範囲ではカバーできないほど新情報が多かったので、新しい記事を書いた。続報はFirefox Developer Editionは早期Beta版として存続 未署名のアドオンも引き続き利用可能 - Mozilla Fluxをご覧ください。