Mozilla Flux

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Firefoxのリリース間隔が変更へ 2014年5月下旬リリースのFirefox 30から9週ごとに(追記あり)

Firefoxは、現在6週に1回リリースされており、Chromeと似たサイクルとなっているが、これが9週に1回へと変更されそうだ。Mozillaのリリースマネージメントチームを統括するAlex Keybl氏が、mozilla.dev.planningの「Coupled Train Model」スレッドにおいて、新しいリリースサイクルを提案した。

新サイクルでは、開発版の中心であるNightlyチャンネルに9週を割り当てる。一方、Auroraチャンネルは2週でBetaチャンネルに移行し、以後の7週はBeta版と併存する。そして、Betaチャンネルも7週でリリースチャンネルに移行し、残りの2週は正式版と併存する。従来は6週ごとで綺麗に切り分けられていたため、あたかも前の列車の到着を待って次の列車が発車するような形であったが、新サイクルでは上記のように併存期間が設けられることから、「連結列車モデル」と呼ばれる。

注意すべきは、Nightlyのサイクル開始から正式版のリリースまでは18週のまま変わりがない点だろう。リリース間隔が広がることは、開発ペースが落ちることを意味しない。むしろNightlyの期間が延びてしっかりと開発できるようになり、しかもその成果がユーザーの手元に届くまでの期間が9週間へと短縮される(従来のモデルでは12週間)。開発者にとっても、主にNightlyとBetaに注目していればいいわけで、負担が若干軽減される可能性がある。

たしかに、AuroraからBetaへの移行が早まる分、Beta版の初期はやや不安定になることもあるかもしれない。しかし、リリースまで7週間の余裕があるため、対処は可能だろう。また、Auroraの存在意義は低下するとみられるが、Beta移行時にオフにされる機能もあるので、差がなくなるわけではない。

提案では、2014年1月20日ころにNightlyの開発が開始されるFirefox 30から、「連結列車モデル」が適用されるそうだ。デスクトップ版とAndroid版の双方が対象である。先ほども述べたように、18週後に正式版という流れは変わらないため、そのリリース予定日は2014年5月27日となる。新しいリリースサイクルが定着し、Firefoxの開発によい結果をもたらすことを期待したい。

(13/10/27追記)
Mozillaコミュニティのフィードバックを受け、mozilla.dev.planningの「Coupled Train Model v2」スレッドで修正版のプランが提案された。

最大の変更点は、Nightlyから2週間でAuroraに移行し、AuroraとBetaの併存期間を1週間に縮めたことである。その結果、Beta版とリリース版の併存期間も1週間となった。当初のプランとは異なり、Auroraを積極的に活用する形となる。

そうなると気になるのはNightlyとAuroraとの関係だが、Auroraのアップデート間隔を延ばすことで差別化を図るらしい。どの程度の間隔になるのかは決まっていないものの、現在のようにほぼ毎日アップデートされることはなくなるだろう。

もう一つの変更点は、開始時期をFirefox 32(2014年4月14日ころ開発開始)へと遅らせたことだ。Firefox OSのリリース時期と調整を図った旨の説明がされているが、実際にはそれだけではなく、ESR(延長サポート版)への影響も考慮したと思われる(次のESRはFirefox 31)。

細かな点では、Auroraの名称が「Aurora/Alpha/Dev」となっていて、変更に含みをもたせている。ただ、現在の名称になる前にほかの候補は検討されていたはずで、今さら変える必要はないだろう。

なお、上記の新提案も確定版ではないので、今後変更される可能性がある。