Mozilla Flux

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Windows版Firefox Quantumではてなブックマーク拡張の日本語入力がおかしくなる問題の一時的な回避策

2017年10月18日にはてなブックマークFirefox拡張がバージョン3.0.0へとアップデートされ(最新バージョンは3.0.2)、Firefox Quantum以降に対応するようになった。ところが、Windows版Firefox Quantumで日本語入力がおかしくなる問題が発生している。

具体的には、ツールバー上のアイコンをクリックすると表示される、コメントの入力領域にIMEで入力する際、候補ウィンドウが常に画面の左上隅に出現する(Bug 1419285)。IMEの種類には関係がなく、Microsoft IMEはもちろん、ATOKやGoogle日本語入力でも現象は共通だ。候補を確定してしまえば文字列が入力領域に現れるとはいえ、拡張機能の使い勝手が損なわれることおびただしい。

実は、この問題はWebExtensionsベースの拡張機能が表示するパネルであれば、どこでも起きうるもの。はてなブックマーク拡張側の不具合ではない。Windows版Firefox 56においてWebExtensionsベースの拡張機能にはまとめて1つのプロセスを割り当てたのだが、この状態だとIME入力時にパネルにうまくフォーカスが当たらず、上記の現象が発生してしまうようなのだ。拡張機能の別プロセス化はマルチプロセス機能(e10s)の有効化が前提であり、e10sが全面有効化されてかつ拡張機能がWebExtensionsに限定されたFirefox Quantumで、問題が一挙に顕在化したというわけ。

現在Mozillaの開発者が対処にあたっており、Firefox 58では修正される見通しである。それまでは、拡張機能の別プロセス化を解除することで問題を一時的に回避できる。about:configの画面からextensions.webextensions.remoteの設定をfalseに変更すればOK。ただ、拡張機能の別プロセス化は、拡張機能がFirefox本体を巻き込んでクラッシュしたり、本体の応答性を低下させたりするリスクを減らすために導入されたものなので、上記の設定変更によってそうしたリスクが高まることに注意してほしい。

(17/12/29追記)
上記Bug 1419285はFirefox 58で修正された。extensions.webextensions.remoteの設定がtrueのままでも、はてなブックマーク拡張への日本語入力は正常に行える。設定を変更している場合は、1月下旬にFirefox 58へアップデートした際、元に戻しておくべきだろう。