Mozilla Flux

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Firefox 38でルビ機能が有効化へ

長い間、Firefoxでルビを表示させるためには、HTML Rubyのようなアドオンをインストールする必要があった。しかし、Firefox 38(米国時間の2015年5月12日にリリース予定)では、本体のみでルビ表示に対応する。

HTMLパーザ側には、すでにFirefox 33の時点で最新の仕様が実装されていた(Bug 664104Intent to implement and ship: Improved ruby parsing in HTML with new tag omission rules)。CSS3 Rubyの実装も2014年9月ころから本格的に進められていたが、Firefox Nightly 38で設定が有効化されるに至った(Bug 1039006Intent to ship: CSS Ruby)。won't fix: ルビ on Firefoxで紹介されていたころは、有効化までにもう少し時間がかかりそうな印象だったが、案外早かった。

もっとも、正式版のリリースまでに何か重大な問題が発生すれば、設定は無効化されることになる。その場合でも、ユーザーがabout:configでlayout.css.ruby.enabledをtrueに戻すことは可能だ。

試しに、Firefox 38.0a1(Build ID:20150220030202)を新規プロファイルで起ち上げ、フォントをメイリオに変更して青空文庫掲載の作品を読み込ませてみたが、きちんとルビが表示され、速度的にも問題はない。なかなかに感慨深い。

f:id:Rockridge:20150222002013p:plain

なお、ルビテキストの配置をコントロールするruby-alignについては、Bug-org 1055676 implement CSS 'ruby-align' property - WebStudioで実装状況の実験が行われている。

(15/05/17追記)
Firefox 38.0 リリースノートに記載されているとおり、ルビのサポートは正式版に投入された。CSS Rubyの最新規格を実装しているのは、現在のところFirefoxだけであり、このようにInternet ExplorerやChromeよりも実装で先行している点は特記されるべきだろう。