Mozilla Flux

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Firefox 3.5.3でもやっぱりメジャーアップデートの提供をすることに

MozillaWikiのリリース予定表にFirefox 3.0.14から3.5.3へのメジャーアップデートが追加された。9月30日に実施予定である。

前回、米国時間の8月13日にFirefox 3.0.13を対象としたアップデートの提供が初めて行われ、しばらく次はなさそうな雰囲気だったのに、3.0.14でもというのだから、MozillaとしてFirefox 3.5への乗り換えを強く促しているのがわかる。

逆の視点から見ると、乗り換えは思ったほど進んでいないわけだ。John O’Duinn氏が『Major update to Firefox 3.5 (after 59 days)』で明らかにしているが、8月のアップデート提供から2週間で、当時の最新版であるFirefox 3.5.2のユーザー比率は24.7%から37.3%へと上昇した。これだけ見れば効果はそれなりにあったように感じられるが、Firefox 2から3へのメジャーアップデートのとき(初回)は、同じ2週間で最新版のユーザー比率が35.4%から61.4%になった。

正式版リリースからアップデート提供までの期間が違うため、ユーザー比率の数字自体は比較できないものの、伸び率の差は明らかだ。この点について、MozillaのSamuel Sidler氏(Firefox 3.5.xのメンテナンス責任者)は、Firefox 3.5.2のリリースからわずか9日後にアップデートを提供したことが最大の要因だとしている。推測するに、セキュリティアップデートをリリースしてからしばらくは様子を見るユーザーが多く、この時期にメジャーアップデートを提供しても反応が鈍いし、自発的に最新版を導入する割合も少ないため伸び率が抑えられるという意味だろう。

しかし、Sidler氏の見立ては疑わしい。O’Duinn氏が挙げている、Firefox 3が1年半という長い期間を経て登場し、目に見える改良点が多く、メディアの注目を集めたといった事情の影響よりも、アップデート提供のタイミングのほうが重要だといわれても、素直にうなずけない。

要は、Firefox 3.5はFirefox 3ほどユーザーに受けなかったのではないか。盛り上がりに欠けるからアップデートの動きも鈍い。そのような見方も成り立つはずだ。

どちらの分析が正しいかについて、おそらく、次のメジャーアップデートが試金石となる。Firefox 3.5.3のリリースから3週間おいての実施だからだ。もしここでも伸び率が低いようなら、Sidler氏の主張は説得力を失う。10月の半ばに出るであろう結果に注目したい。