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Thunderbird 3.0ではGlodaの国際化を断念

Makoto Kato氏のつぶやき経由。極めて残念なニュースである。Thunderbird 3(TB3)の開発責任者たちは、3.0でGlodaの国際化を断念した。日本語を含むマルチバイト文字は、メッセージのインデックス化の対象にならないため、マルチバイト圏のユーザーは、TB3で導入される強力な全文検索機能の恩恵をほとんど受けることができなくなった。

Bug 472764のComment #18で、Mozilla Messaging社のCTO・Dan Mosedale氏は次のように書く。

After discussion with drivers, we decided that while it would be exceedingly unfortunate to not have good support for locales in Gloda in 3.0, we'd still rather get good GloDa support into the hands of some people rather than no people at all, so we wouldn't block on this bug if it were the last bug standing.

開発責任者たちと協議した結果、非常に残念なことだが、3.0のGlodaにおいてはロケールのサポートを充分に行うことはせず、それでも一部の人々が充分なGlodaのサポートを得られるほうが、誰も得られないよりはましであると判断した。そういうわけでこのバグが最後に残ったバグであるなら、我々はそれをもって(リリースを)止めることはしないだろう。

Bug 472764は、blocking-thunderbird3-のフラグが立てられ、Blockerバグのリストから外されるとともに、blocking-thunderbird3.1+のフラグが立てられた。どうやら開発責任者たちは、3.0の次を3.1にするつもりのようだ。Glodaの国際化は、Lightningの統合などと同様に、次期バージョンへと先送りされたことになる。3.1は従来よりも短い期間でリリースされるらしいが、時期は当然未定で、早くとも2010年半ば以降と推測される。

TB3を代表する機能が日本語版で使えないというのは、手痛いどころの話では済まない。ユーザーインターフェイスもGlodaの導入を前提に刷新されるはず(Bug 507688 - UI tweaks needed for gloda search)だが、日本語版はどう調整するのだろう。新しい検索バーはそのままに、従来から存在する検索機能を呼び出す形なのか。それとも、新UIの導入自体を見送るといったことが可能なのか。

いずれにせよ、状況は厳しい。Glodaベースの新検索システムを実装する過程で、拡張機能の互換性が犠牲になっている。にもかかわらず、日本語全文検索機能の強化というメリットは得られない。新バージョンを長らく待たされ続けたユーザーたちが、失望して離れていかないことを祈るばかりだ。