Mozilla Flux

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Firefox 4.0ではツールバーのカスタマイズ画面も大改修の予定

Firefox 3.7と4.0、とくに後者でユーザーインターフェイス(UI)がガラッと変わる見とおしであることは、ご存じの方も多いだろう。Google Chrome(Chrome)のようにタイトルバーの位置にタブを表示するとされ、かなりの注目を集めた。

この件に関して、新しいUIを探求するチームのリーダー、Stephen Horlander氏が、『Windows Theme Project (Progress Report)』と『Windows Theme Project (Progress Report) #2』で最新の状況を報告している。それによると、現在の方向性としては、やはりデフォルトではChrome式にしつつ、現行のUIへと簡単にカスタマイズできる形にするようだ。

mozilla.dev.usabilityの『Customization UI Thoughts』でアイデアの詳細が報告されている。現在、表示 > ツールバー > カスタマイズとメニューを辿って表示されるウィンドウは、一つのタブとして扱われ、カスタマイズシート(Customization Sheet)の名で呼ばれるようになる。そして、「ツールバーの追加」と「ツールバーのアイテムの追加」は別々のペインにすっきりとまとめられる。これを最も検討が進んでいる「Controlled Version」について見てみよう。

ツールバー、メニューバー、ステータスバーは、すべて「+」ボタンをクリックするだけで追加が可能だ。削除する場合は、バーの右端へのマウスオーバーで「×」ボタンが現れるので、これをクリックすればいい。ツールバーのアイテムに関しては従来どおりドラッグ&ドロップでカスタマイズすることになるが、やや特殊なのは、中止ボタンとリロードボタンを分離したり、ロケーションバーと検索バーの統合を解除したりするアイテムも用意されている点だ。

もう一つ特徴的なこととして、タブバーの位置を移動させるボタンが目立つ場所に置かれる。「下に移動(Shift Down)」と「上に移動(Move to Top)」がそれで、Chrome式と現行式を切り替えられる。

強力なカスタマイズ機能によって、従来の方式に慣れたユーザーは、簡単に新UIを解体して元に戻せるわけだ。新UIのモックアップなどを目にしたユーザーから、慣れた方式でも使えるようにしてほしいとの要望が強かったこともあり、今回のようなデザイン案ができた。

実は、「Controlled Version」に対して、「Freeform Version」というものもある。こちらは、タブバーの位置を移動させるボタンがなく、その代わりツールバーとタブバーにマウスオーバーで「掴み」の部分が表示されるので、それを掴んでバーを移動させるのだ。Internet Explorer 8で「ツールバーを固定する」のチェックを外したケースに近いが、今のところ複数のバーを一列に統合する話までは出ていない。また、このバージョンでは、ツールバーを追加する際も、「+」ボタンを押すのではなくドラッグ&ドロップを使う。

Horlander氏はControlled Versionを推しているように見えるのだが、FirefoxのUIデザイナーAlex Faaborg氏は、Freeform Versionが直感的で操作しやすいとコメントしている。どちらになるかは今後の議論次第だろう。

Horlander氏によれば、近日中にモックアップを作って公開するという。加えて、次の課題に「AddOns extensibility/discoverability ideas」を挙げているのも見逃せない。ステータスバーをデフォルトで削除した後、アドオンのアイコンはどこに置くことになるのだろうか。