Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

Weekly Updates 2009-07-20

Mozillaのプロジェクト全体について開発状況を報告し合う会議が毎週開かれている。その報告のまとめがWeekly Updatesだ。2009-07-20版(米国太平洋夏時間:PDT)から注目の内容をピックアップ。

Firefox.next

Firefox 3.6 Alpha 1は今月末にリリースし、8月1日にはmozilla-1.9.2ブランチを作成する見とおし。Firefox 3.6は、いったんはうち捨てられたかに見えた「マイナーアップデート」となる。これは、メジャーアップデートとセキュリティアップデートの中間に位置するものだ。

リリース時期は今秋半ばから終わりにかけてとされているが、開発総責任者のMike Beltzner氏は「... allow us to ship a Firefox 3.6 that coincides with the estimated street date of Windows 7, ...」と漏らしており、Windows 7の一般向け発売日から考えて10月下旬がターゲットだろう。これは、mozilla-1.9.3ブランチの作成を11月1日としていることからも裏付けられる。

一方、Firefox 3.7は2010年春の遅い時期にリリースが予定されているから、Firefox 3.6と比較してブランチ後の開発期間が長い。CompositorやXBL2といった大きな変更が3.7に入るそうだ。

フロントエンドに関してもさまざまな計画が進行している。以下がその例だ。

  • 書き直されたフォーカス機能の安定化
  • NVIDIA TegraベースのデバイスでWindows CE版が出荷できるように安定化
  • 新しいタブ切り替えUI:しばらくはデフォルトでオフに
  • 起動速度とブラウザ応答性の向上
  • スマートロケーションバーを非同期にして応答性を向上
  • スマートロケーションバーのロジックをフォームに応用(awesomecomplete)
  • Windowsにおけるスクロールモデルと他のパフォーマンス感を改善
  • マルチタッチとWindows 7向けAeroのサポートを洗練
  • 404エラーページをより有用なものに

製品一般

Thunderbird 3 Beta 3とFirefox 3.0.12は7月21日のリリースとなっているので、日本時間だともうすぐだ。Firefox 3.0.13は9月のリリースに向けて開発が進められているという。例のクラッシュバグはどうするのだろうか。

その他

先週MozillaのMetricsチームがNet Applicationsと話し合った結果、なんと6月のブラウザマーケットシェアは一切発表しないことになったそうだ。8月1日に出る予定となっている7月のシェアに関しては、新しい手法をベースにするらしい。

Mozilla Add-ons(AMO)は、5.0.7が予定どおり7月15日にリリースされ、寄付機能のパイロット版とタグによるアドオンの分類が加わった。100人以上の開発者が99セントから10ドルの間で寄付額を設定している。コミュニティやマスコミの反応も好意的だという。また、タグ機能はアドオン探しに役立つことが期待されている。ユーザーもタグを付けられる代わりに開発者は削除権限をもつ。「荒らし」対策なのだろう。

次のAMO 5.0.8では、ユーザープロファイルを強化しするほか、パブリックな統計ダッシュボードが加わる。

Mozilla Labsからは、Bespinの新バージョンのリリースが近づいていると報告された。コラボレーション機能が追加予定。なお、メモリツールに関するアップデートが発表された。