Mozilla Flux

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二つのJavaScriptライブラリ

MozillaのJavaScriptエバンジェリストJohn Resig氏が、自分の携わった二つのプロジェクトで新たな動きがあったことを報告している(『New Processing.js and Sizzle.js Sites』)。

一つはProcessing.jsで、JavaScriptを使用してHTML5のCanvas要素上に形を描き、画像を操作するためのライブラリである。FlashやJavaアプレットに頼らずアニメーションやインタラクティブなUIを作成することができる。Firefox、Safari、Opera、Google Chromeをサポートし、IEでもExplorer Canvasを使って動作させることが可能だ。

サイトのフロントページがProcessing.jsのデモになっており、次に掲げるの画像の中央下に見られる二重円は、拍動するようなアニメーションを見せながら、マウスカーソルの動きに追随して移動する。また、タブ型メニューもピョンと伸びるようなアニメーション効果が付いている。加えて、「Exhibition」ではより多くのサンプルに触れられる。

もう一つのプロジェクトはSizzle.js。JavaScriptで書かれたCSSセレクタエンジンである。CSS3のセレクタを幅広くサポートし、Unicodeにも対応。高いパフォーマンスとコンパクトなサイズを両立し、ホストライブラリへの組み込みも容易だという。

こうしたライブラリの普及が、JavaScriptエンジンの強化を促している面があることは確かだ。そして、現に前世代のパフォーマンスをはるかに凌駕したエンジンが揃いつつある。Firefox 3.5のTraceMonkey、Google ChromeのV8、Safari 4のNitroなどだ。これらの新エンジンを積んだWebブラウザが広く浸透すれば、よりリッチなライブラリの利用も可能になる。そうしたポジティブなフィードバックの関係が、Webの成長を支えていくのだろう。