Mozilla Flux

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Firefox 3.0.8のリリースがさらに前倒し

Mozilla Wikiの情報によれば、Firefox 3.0.8のスケジュールが再度変更され、米国時間で3月27日のリリースへとさらに前倒しされた(Test PlanおよびReleases/Firefox 3.0.8)。日本時間だと28日、つまり今日だ。ユーザーに対しセキュリティ上の欠陥のないバージョンをいち早く届けようと関係者が努力した結果であり、その点には賛辞を送りたい。なお、コメント欄で新スケジュールを指摘してくださった あ さんにお礼申し上げる。

しかし、リリースマネージメントの観点からいえば、この前倒しはまったく評価できない。たとえば、あなたが企業のシステム管理者の立場だったら、どう思うだろうか。報道された情報は、Firefox 3.0.8が米国時間で3月30日から4月1日の間にリリースされる見通しというものだ。その情報を前提に、イントラネットの作業計画を組んでいたら、3月27日にリリースされてしまい、自動アップデートで新バージョンが配信されてくるわけだ。混乱しないほうがおかしい。

そもそも、公式情報の発表の仕方に問題がある。Mozilla Wikiの"Releases"というページを見てほしい。そこには、Mozilla製品のリリース予定がずらりと並んでいて、Firefox 3.0.8のリリースが4月1日であると明記されている。しかも、"History"のタブをクリックすればわかるが、このページは一時的に編集制限がかけられている。MozillaのReed Loden氏が、コンテンツの移動のみ可(=修正は不可)と設定してしまったのだ。当初の計画で最も早い3月30日はおろか、3月27日にリリースすべく作業を進めているなら、どうしてそんな措置をとったのか。

その結果、リリース表では4月1日となっているのに、Firefox 3.0.8のページにアクセスしてみると、リリース日は3月27日と食い違ってしまっている。さらにいえば、この個別のリリースページこそが、当初3月30日から4月1日の間のリリースと伝えていた。情報が錯綜している。いったいどれを信じればいいのだろう。

はっきりいって、Mozilla Corporationの一連の動きは素人くさい。Microsoft、Apple、GoogleあるいはOpera Softwareであれば、こうしたことはしないだろう。最大限努力すれば3月27日にリリースできるのなら、初めからそう発表して遵守すべきだ。その自信がないとすれば「3月30日から4月1日の間」でもよいが、少なくともその発表した期間内にリリースすべきで、不意打ち的な変更をすべきではない。加えて、発表する情報はコントロールされるべきであり、一方で幅を持たせたスケジュールを出しておきながら、最も目立つページには特定の日を掲げるのは非常にまずい。こうしたことは、Beta版の情報を追っているとまま見かけるけれども、正式版も同じ扱いでいいはずがない。

Firefoxがもっぱら個人ユーザーを相手にするつもりしかないのなら、今のままでも構わないのかもしれない。結果的に、より安全な製品が、より早くユーザーの手元に届くのだから。しかし、本当にそれでいいのか?