Mozilla Flux

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Firefoxのパスワードマネージャーを刷新するLockboxプロジェクトが本格始動中

Firefoxにはパスワードマネージャー機能が搭載されており、Webサイトへのアクセスに利用するユーザー名とパスワードを安全に保存して、同じサイトに再びアクセスした際にそのアカウント情報を自動的に入力してくれる。このパスワードマネージャーの全面的な書き換えを目指すのがLockboxプロジェクトであり、既に拡張機能の形式で開発者向けα版の提供が開始されている。

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Lockbox α版のスタート画面

今のところα版は、Firefox本体のパスワードマネージャーを置き換えるものの機能面ではかなり限定されており、ユーザーが自分でアカウント情報を登録したエントリーを作成せねばならない。だが、マスターパスワードに代えてFirefoxアカウントによる暗号化が可能になっている点は目新しい。FAQによれば暗号化処理にAES256-GCMを、ハッシュ処理にHMAC SHA-256をそれぞれ利用しており、保存された情報は強力に保護されるそうだ。

今後、Lockboxが現行のパスワードマネージャーの機能を取り込んでいくのは当然として、さまざまな新機能についても検討されている。パスワードの生成エクスポート、LastPassなど他のサービスからのインポートは有用だろう。Webサイトで新規アカウントが作成されたことを検知してエントリーを自動で追加してくれる機能も便利そうだ。モバイル向けに指紋認証をサポートする話もある。

Lockboxのβ版はTest Pilotで公開される予定だ。ユーザーからのフィードバックを経て、Firefox本体に取り込まれることになるとみられる。パスワードマネージャーの刷新時期は不明だが、2018年11月にリリースされるFirefox 64がターゲットということは十分に考えられそうだ。また、モバイルアプリ版の開発や(拡張機能として)Firefox以外のブラウザへの展開も視野に入れているそうなので、Firefoxアカウントを普及させるためのツールとしての役割も期待されている可能性がある。