MozillaはFirefox 52でプラグインのサポートを大幅に縮小する。具体的には、自動的にインストールされるもの(OpenH264 Video CodecやWidevine Content Decryption Module)を除くと、サポートされるのはAdobe Flashプラグインだけとなり、他のプラグインは使用できなくなる(Bug 1269807)。*1
アドオンマネージャの〔プラグイン〕の項目を見ると、あっさりした表示になっているのが分かる。Firefox 51までは有効・無効にかかわらず列挙されていたプラグインが、きれいさっぱり無くなっている。
Firefox 52以降もFlash以外のプラグインを使い続けたければ、延長サポート版(ESR)を利用してください、というのがMozillaのスタンスだ。この場合、Firefox 53以降に本体に追加される新機能は利用できなくなるため、ユーザーは(Flash以外の)プラグインを取るか新機能を取るかの二者択一を迫られることになる。
Flash以外のプラグインをこっそりと使い続ける方法を以下に紹介しよう。もっとも、今後のFirefoxはこれらのプラグインが動いていないことを前提に開発が進むため、Flash以外のプラグインがクラッシュの原因になっても修正されることはない点に注意してほしい。
上で述べたように、FirefoxのESRではFlash以外のプラグインもサポートが続いているわけだが、それを実現するのがplugin.load_flash_onlyの設定だ。about:configの画面で設定の欄を右クリックし、「新規作成」から真偽値の項目を選ぶ。そして、plugin.load_flash_onlyをfalseに設定する。
これで本体を再起動すればプラグインが無事復活……とはいかない。プラグイン用のキャッシュファイルが書き換えられており(Bug 1307501)、設定を変えても復活しないからだ。本体を再起動する前にこのキャッシュファイルを削除し、改めて作成するよう促す必要がある。
pluginreg.datという名のキャッシュファイルは、プロファイルフォルダ内に存在する。プロファイルフォルダへの移動は、Firefoxのヘルプメニューからトラブルシューティング情報(about:support)のページを呼び出し、〔アプリケーション基本情報〕のプロファイルフォルダ欄から「フォルダを開く」のが手っ取り早い。
まとめると、plugin.load_flash_onlyの設定をfalseの値にした状態で追加し、プロファイルフォルダ内のpluginreg.datというファイルを削除してから、Firefox本体を再起動する。これでFlash以外のプラグインは復活する。
(17/01/23追記)
同一プロファイルでESRと非ESRを切り替えた場合に混乱が生じないようにするため、plugin.load_flash_onlyの設定を追加して値をfalseにし、再起動するだけで、Flash以外のプラグインが復活するようになった(Bug 1330998)。もっとも、将来的に設定による切り替えはできなくしていく方針が示されており(Comment 17参照)、本記事の方法がいつまで通用するかはわからない。
なお、注に書いたAdobe Primetime CDMは、Firefox 52でアドオンマネージャに表示されなくなり(Bug 1329538)、Firefox 53でサポートが廃止される(Bug 1329543)。
*1:ちなみに、このバージョンから、Adobe提供のPrimetime Content Decryption Moduleはオンデマンドでのインストールとなる(Bug 1304899)。