Mozilla Flux

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Firefox 3.7はリボンインターフェイスを採用しない

スラッシュドット・ジャパンに『Mozilla、Firefox 3.7からOffice 2007風リボンインターフェイス採用』というスレッドが立てられているようだが、もちろんそんなものをFirefox 3.7で採用する計画はない。

しかし、PC Proや本家Slashdotで取り上げられた影響は大きく、瞬く間にこの誤報がWebを駆け巡ったため、FirefoxのUIデザイナーAlex Faaborg氏が『No Ribbon Planned for the Firefox UI』という記事を出すに至っている。

Faaborg氏いわく、リボンインターフェイスは、文書の作成・編集用のコマンドをたくさん保持しておく目的でデザインされたもので、現行のWebブラウザには適しないという。Webブラウザではページの閲覧を重視するから、コマンド用ユーザーインターフェイス(UI)を最小化してスペースを広く取り、しかもそのUIをあまり強調しないのが共通のトレンドだとFaaborg氏は述べる。代わって強調されるのは、主要なナビゲーション用UIだ。

加えて、Faaborg氏はメニューバーの削除が正しい措置だと主張する。Firefoxのルーツに当たるMosaic 1.0(1993年)は、何ら文書を作成・編集するアプリケーションではなかったにもかかわらず、Microsoft Word 2.0(1992年)のUIから強い影響を受けていた。そのせいで、進む・戻るといった主要なナビゲーション機能とそれ以外の重要度の劣る機能が同列で混在することになってしまった。しかし、Mosaicから16年を経てようやく合理化がなされつつある、というのが同氏の認識だ。

Faaborg氏の主張は、現在提案されているFirefox 3.7 / 4.0のUIに関して、デザイナーたちが自信を持っていることの表れといえる。現に上の記事で「Firefox 4.0 Proposal」として挙げられているのは、Chrome風の最上段にタブが配置されたモックアップだ。ユーザーからのフィードバックを集めているとはいえ、大きく方針転換するつもりはないらしい。