Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

今週のMeeting要旨 090808版

今週開かれた開発者ミーティングから、注目の情報を選んで掲載。日時はすべて米国太平洋夏時間(PDT)が基準で、日本時間とはずれる。

Firefox Product Delivery Meeting(2009-08-05実施)

Firefox 3.0.14のリリースは、やすっち。さんがコメント欄で指摘されているとおり、コードフリーズを逃したことで一週間延期となった。ミーティング後にMozillaWikiでも確認できるようになったが、新しいリリース日は9月9日で、Firefox 3.5.3も歩調を合わせてこの日にリリースされる予定だ。

Fennec Maemo 1.0 Beta 3(Windows Mobile版Alpha 3)は8月10日〜12日の間にリリースされるそうだ。かなり具体的な日程が示されたので、大きな遅れはおそらくないだろう。

Firefox 3.0.13ユーザーに対しては、近々3.5.2へのメジャーアップデートが提供される模様。Mozillaの調べでは、Firefoxユーザーのうち3.5.x系列を使用しているのは21%だという。メジャーアップデート後にこの割合が上昇するものと期待されている。

サポートチームからは、YahooツールバーがFirefox 3.5の右クリック後の処理を阻害するバグ(Bug 505067)が報告された。

最後に、検討課題として、MozillaプラットフォームにjQueryを統合するかどうかが挙げられた。現在のところXULと動作させるには支障があるものの、XHTMLとならうまく動作するとされており、コンテンツ内UI、アドオン、コンテンツスクリプト、Jetpackのペインが後者の例である。

Development Meeting(2009-08-04実施)

mozilla.dev.platformニュースグループの『"Infallible malloc" and you』で詳しく説明されているが、Gecko 1.9.3に向けて、infallible mallocの最初のパッチがmozilla-1.9.2ブランチ作成後すぐにTrunkに投入される見とおしである。メモリの管理システムに変更が加えられる結果、コードサイズが減少してパフォーマンスは向上するという。また、メモリ関連の処理が安定性を増し、セキュリティの面でもメリットがあるらしい。

ほかに、Firefox 3.5のテストスイートの一つ、TP3がTP4に置き換わるという話題が出ている。Trunkでは6月下旬から実施されていた措置だが、Firefox 3.5(Shiretokoブランチ)にも適用される。

従来使われていたTP3は、2006年12月時点におけるAlexaのトップ500サイトから395サイトを選び、そのトップページをFirefoxに読み込ませるという自動テストで、処理に60分程度かかっていた。これに対し、TP4(Bug 473821)はやはりAlexaのトップ500サイト(ただし2009年2月時点とみられる)から100サイトを選んだ。計測の精度はTP3と同じレベルを維持しつつ、テストは20〜25分で終了するようになっている。

Thunderbird Status Meeting(2009-08-04実施)

Thunderbird 3 Beta 3へのアップデートが提供された。

Beta 4のBlockerバグは79個(先週-3)と報告されている。Beta 4の主な新機能として、GloDaをデフォルトでオンにすること、バックグラウンドでのメール送信、メッセージヘッダの改良、Autoconfig(ISPのデータベース使用、ローカライズ)そしてAutosyncの新ポリシーが挙げられている。

ちなみに、同じ日のDriver Meetingには、上記のものに加えて、パスワードプロンプトの改良、フォルダサマリー、アカウントサマリーもリストに記載されている。

Thunderbird 3の新アイコン(えむもじら『Thunderbird 新アイコン案(2)』参照)は、最終的な細部の詰めを残すばかりのようだが、デザイナーが休暇中のため、作業が止まっているとのこと。