Mozilla Flux

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ElectronアプリがGecko上で動く未来

Mozillaは、Electron APIをGecko上で動作させるためのラッパを開発中で、その開発プロジェクトはElectron(電子)を踏まえてPositron(陽電子)と呼ばれている。今のところまだElectronベースのアプリを走らせることができるまでには至っていない。

ElectronはChromiumとNode.jsを利用しているが、ChromiumのところにGeckoを代入するとして、Node.jsはどうするのか。その回答がSpiderNodeで、こちらはMozilla製JavaScriptエンジンであるSpiderMonkey上でNode.jsを動作させることを目的としたプロジェクトである。

V8以外のJavaScriptエンジンにNode.jsを移植するといえば、MicrosoftのChakraCoreが有名だ。2016年1月に取り組みが発表され、注目を集めた。SpiderNodeプロジェクトでは、このNode.js on ChakraCoreの開発状況を参照しつつ、ChakraShimならぬSpiderShimと呼ばれるV8 API shimを構築していく。

これらのプロジェクトは、Mozilla CorporationのCTOであるDavid Bryant氏によれば、Webをあらゆるところに埋め込んでいくための手段であり、そうすることが、すべての開発者に対して広く有用であるという。

GeckoがElectronアプリに対応するのであれば、Electronベースで実験が行われるProject Tofinoの成果も、理屈の上ではGeckoに直接フィードバックできるわけだが、はたしてそこまでを視野に入れたものなのだろうか。