Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

Windows 8/8.1上のFirefoxとATOKとの相性問題

年初にPC環境を更新し、OSをWindows 8.1(64bit版)に変えたのだが、当初Firefoxがハングアップしまくり、非常に困ったことがあった。リンクを新しいタブで開くと、そのタブだけでなくプログラム全体の動作が止まり、ウンともスンとも言わなくなるのだ。

YouTubeのトップページで必ず症状が出ることが確認できたので、NightlyからReleaseまで全チャンネルを新規プロファイルで動作させたところ、どれも再現性があった。この時点で、YouTube上で動作するプラグイン、つまりAdobe Flash Player(以下Flashプラグイン)が疑わしいと判断できたので、これを無効化したところ、ハングアップは起きなくなった。

原因は判明したが、対処法を見つけないとFlashプラグインが使えないわけで、不便極まりない。そこで、再度Flashプラグインを有効化した状態でYouTubeのトップページを訪れ、タスクマネージャを開いてみた。Windows 8以降のタスクマネージャは機能が強化されており、プログラムの動作する様子がよくわかる。画面の中では、Flashプラグインのプロセスが現れては消える現象が繰り返されていた。どうやらプロセスの呼び出しに失敗しているらしい。何らかの常駐プログラムとバッティングしているのだろうと推測できたものの、試しにFirefoxがインストールされたフォルダをセキュリティソフトのスキャン対象から外してみても、依然として問題は発生し続けた。Flashプラグインの保護モードを無効化しても同様だった。

Bugzilla@Mozillaで該当バグを探してもヒットしなかったのだが、Bugzilla-jpに登録されていたあるバグを発見し、事態は解決に向かい始める。「ATOK2013[TSF有効]にてFlashプラグインがクラッシュする」(bug 6851)というのがそれだ。そして思い出した。Windows 7のときは適用していたATOK 2013のアップデートを、Windows 8.1に変えてからは適用し忘れていたのだ。

ATOK2013に最新のアップデートを適用すると、症状は大幅に改善した。ようやくFlashプラグインを有効にしても支障なくFirefoxが利用できるようになったのだ。その後、ATOK2014にバージョンアップすると、ハングアップに遭遇することはさらに少なくなった。

それでも、複数のタブに動画を読み込んだときなど、ふとした拍子に問題が再燃する。WebStudio「ATOKを64bit版Windowsで利用している環境で、Flash Playerのあるページから移動したり、タブを閉じたりする場合にプラグインプロセスがハングアップすることがあります」によれば、64bit Windows版のATOKには、一部のアプリの終了時にハングアップを引き起こすバグがあり、このバグは、Firefox上でFlash Playerを読み込んだページから移動したり、タブを閉じたりした際に再現することがあるのだという。

上記記事では、ATOK 2013利用時の対処法として、「SIPモード遅延初期化」設定の変更を紹介している(ちなみに、SIPとはSoft Input Panelの略らしい)。ATOK 2014では最初から変更後の設定になっているそうだが、筆者の場合、ATOK 2013から環境を移行したためか、ATOK 2014上で上記記事の手順どおりに設定したところ、若干症状が改善したように感じた。

なかなか厄介な話だが、ATOKも、Flashプラグインも、そしてもちろんFirefoxも便利で有用なソフトであり、手放すことは考えられない。Flashプラグインのバグなのであれば、Adobeが修正するのが筋ではあるが、いかんせん問題がローカルすぎるため、望み薄だろう。ATOK側で対処可能なのであれば、ぜひそうしてもらいたい。