NetApplications社の月例統計によれば、2009年11月時点におけるFirefox全体のマーケットシェアは、24.72%(+0.65%)である。筆者の予想では24%前半だったが、順調な伸びを示した。年内の25%越えはほぼ確実な情勢だ。
参考指標となるStatCounterのデータでは、Firefoxの11月のシェアが32.21%(+0.39%)となっており、伸び方にやや差があるものの、危なげなくシェアを増やしているのは間違いない。
NetApplicationsのデータを基にしても、瞬間的には25%オーバーという数字が出るようになってきた。Firefoxは2009年11月上旬に5周年を迎えたが、その間にシェアがいかに変わったか、Blog of Metrics『Firefox Hits 25% Market Share on its Birthday』がグラフ化している。5年前に今日の状況をどれほどの人が予想できただろうか。
競合他社のWebブラウザについても触れておこう。
IE | Safari | Chrome | Opera | |
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2009年09月 | 65.71% | 4.24% | 3.17% | 2.19% |
2009年10月 | 64.64% | 4.42% | 3.58% | 2.17% |
2009年11月 | 63.62% | 4.36% | 3.93% | 2.31% |
Internet Explorerの数字が減っているのはいつもどおりだが、それがもつ意味はいつもどおりではない。なぜなら、IE8を搭載したWindows 7が10月中にリリースされており、売れ行き好調とアナウンスされているにもかかわらず、低落傾向に歯止めがかかっていないからだ。来年中にIE9がリリースされることはありえず、挽回策にも乏しい。このまま1か月に1%ずつシェアを失っていくと、来年末には50%になってしまう。
他方で、Google Chromeは元気だ。12月中に4%台に乗ることはもちろん、横ばい状態が続くSafariの背中も見えてきた。拡張機能に本格的に対応しだすと、乗り換えるユーザーはさらに増えるだろう。ただ、アーリーアダプターが多いはてな界隈の動きにだけ注目していると、ChromeがすぐにでもFirefoxを食い破りそうな勢いに思えるかもしれないが、実際は違う。ユーザー数の純増で比べても、Firefoxのほうが多いことには留意すべきだろう。
なお、この激しい競争の中、Operaも健闘している。
次に、NetApplications調べによるバージョン別のシェアでは、Firefox 3.5が15.16%(前月+1.26%)で、Firefox 3が8.13%。いまだに、SafariとChromeを合わせたくらいの人数のユーザーが、Firefox 3.0.xを使っている計算だ。3.0.xのサポート期限が2010年2月以降に延長されるのだとすると、ユーザーはますます使い慣れたバージョンにとどまろうとするだろう。筆者は年内に6%前半まで下がると考えていたが、7%台をキープしそうだ。
他のブラウザはどうか。IE6が22.08%であいかわらず首位だが、IE8も19.34%+互換モードの2.73%で、合計22.07%に達した。トップの交代は目前である。あとは、Chrome 3.0の3.34%が目立つ。最新版使用率の高さは、競合他社にとって垂涎の的だろう。
最後に、12月のFirefoxシェアを予想する。といっても、ほとんど予想するまでもなく、25%を超えるに違いない。Webブラウザの4分の1をFirefoxが占める。年末の締めくくりにふさわしい。