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Firefox 3.6からextensions.checkCompatibilityの仕様が変更に

extensions.checkCompatibilityは、about:configから呼び出す設定画面から変更が可能な、Firefoxの設定の一つである。デフォルト値はtrueで、アドオン(拡張機能+テーマ)のインストールやアップデートの際に、互換性をチェックする。たとえば、Firefox 3.5.xを最大バージョンとするアドオンをFirefox 3.6にインストールしようとするケースのように、アドオンの対応バージョンと、インストール先のFirefoxのバージョンが合わない場合、Firefoxはメッセージを出してそのアドオンのインストールを拒否する仕様になっている。

addons.mozilla.org(AMO)からアドオンをインストールするときは、サイト側でバージョンチェックを行ってくれるので、あまり意識する必要もないが、別のサイトからインストールしたり、以前ダウンロードしたファイルを使ってインストールしたりといったケースもあるだろう。そうした場面に遭遇したユーザーに対し、「テクニック」としてextensions.checkCompatibilityをfalseにするよう勧める記事があり、実践する人も一定数いるようだ。

問題は、ユーザーが自ら行った設定変更を忘れてしまう点にある。Firefoxのメジャーバージョンが上がっても設定が維持されるため、アドオンの対応バージョンを無視して使い続けることができてしまい、それが後々になって動作の不具合を引き起こすことにもつながる。ユーザーのバグ報告の原因を探ってみれば、本来そのFirefoxのバージョンに対応していないアドオンを使っていたことだったとなると、機会費用のロスが大きい。その探索作業に費やされた労力を別のところに振り向けていれば、もっと有益な結果が出たのでは、というわけだ。

そうした問題を回避すべく、extensions.checkCompatibilityの仕様を変更し、Firefoxのバージョンに応じた互換性の設定を導入する、とOxymoronical『Changing the checkCompatibility preference』は伝えている(Bug 521905)。新設定はFirefox 3.6において実装され、たとえば「extensions.checkCompatibility.3.6」という項目ができることになる。この値をfalseにすると、セキュリティアップデートを経ても、Firefox 3.6.xを利用中はアドオンの互換性が無視されるのに対し、Firefox 3.7へとバージョンアップしたときは、互換性のチェックが再度働きだす。

実際には、より細かな分類があり、「extensions.checkCompatibility.3.6a」や「extensions.checkCompatibility.3.6b」といった項目も設けられるので、Alpha版やBeta版のユーザーは、互換性チェックをオフにしておきたいなら、製品版のユーザーよりも頻繁に設定を変更する必要がある。ただ、開発途上のバージョンを使おうというくらいだから、ある程度のスキルはあるだろうし、生じる負担も重いものではない。全体としてみれば正しい措置と評価できそうだ。