Mozillaのプロジェクト全体について開発状況を報告し合う会議が毎週開かれている。その報告のまとめがWeekly Updatesだ。2009-08-24版(米国太平洋夏時間:PDT)から注目の内容をピックアップ。
Firefox関係
9月上旬のリリースとされていたFirefox 3.6 Beta 1だが、どうやら開発が遅れており、「9月中旬から下旬」へとスケジュールが変更された模様。
フロントエンドの開発状況を見てみよう。
- 起動パフォーマンスの改善
- Firefox UIのアニメーション
- 404エラーページをよりよいものに
- マルチタッチUIをWebページで利用
- 最新版でないプラグインに警告を出す
- Taskfoxに加え、Jetpackの統合を模索
- サードパーティ製アプリケーションがFirefoxにアドオンをインストールした場合にユーザーに通知する方法の検討
- Personasの統合
Firefox 3.6に間に合わないものもあるだろうが、その場合でもFirefox 3.7には実装されそうだ。
なお、Firefox 3.5.4 / 3.0.15は、10月21日となっていたスケジュールが、10月20日に前倒しされた。
その他
Mozilla Labs
Jetpack 0.5のBeta版をリリースした。セキュリティが改善され、オーディオ機能をサポート。また、10月15日までJetpackを使った拡張機能のコンテストを実施中だ。
Weave 0.6preがバージョンアップを重ねている。最終版は今週中にリリースされる見込み。Fennec向けのUIとエラー処理が改善され、about:weaveで現在の動作をアニメーション表示し、ログインやアカウント作成のWebベースUIは刷新される。
Bespinは0.4.1がリリースされた。ロードマップも公開され、コラボレーションの強化が予定されている。変更を加えたユーザーごとに変更個所の色を変える機能や、他のユーザーが文書内のどの位置にカーソルを走らせているか表示する機能などが加わる。
アドオンチーム
8月27日にAMO 5.0.9がリリースされ、コレクション機能は新フェーズへ移行する。プレビューによれば、コレクションの格付けは、アドオンのような星の数ではなく、賛成と反対の数をそれぞれカウントして、その比率がグラフ化されたものとなる。
Web開発チーム
Firefoxのダウンロード統計がmozilla.comに組み込まれた。本記事執筆時点で、Firefox 3.5のダウンロード総数は1億4253万以上である。日本の数値は、いったんリセットされたのか、やけに少ない。
ITチーム
addons.mozilla.orgのEV SSL証明書が更新されるという話(Bug 503040)。本記事執筆時点で更新は終了しており、Firefox 3.5でもちゃんとEV SSLのページとして表示されるようになった。
もう一つ、3年前に開設したまま次第に使われなくなりつつあった、アムステルダムにあるMozillaのデータセンターが、9月2日に生まれ変わる(The Amsterdam Reboot)。現在、本拠地のサンノゼには、24のラックに500台近いサーバーが設置されている(ただし150台のMac Miniを含む)そうなのだが、アムステルダムにもHP c7000 BladeSystemでサーバー群を構築するという。
サポートチーム
9月28日にSUMO 1.3をリリースしてFennecをサポート対象に加える。また、その次のSUMO 1.4では、フォーラムのユーザーインターフェイス(UI)を改良する。質問者にも回答者にもメリットのあるものにするとのこと。