Mozilla Flux

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アドオンの紹介方法に関するバリエーション

Firefox 3が颯爽と登場した頃とは違い、単純にスピードだけを比べると、Firefox 3.5はGoogle ChromeやSafari 4に勝てない。わずか1年の間に、状況は大きく変わってしまったのだ。

そんな中、Firefoxが他との差別化を図ろうと思えば、アドオンを売り込んでいくのが近道だろう。Chromeだけは拡張機能のサポートを表明しているが、最初はユーザースクリプトの処理からスタートするので、仮に将来高機能な拡張機能が出るとしても、Firefox.nextのリリース(約1年後)までにどうこうできるとは思えない。やはり、Firefoxといえばアドオン、アドオンといえばFirefoxなのであり、そのイメージを強化して、一人でも多くのユーザーにアドオンを使ってもらいたいところだ。

アドオンにハマったユーザーは、簡単には他のWebブラウザに乗り換えられない。便利すぎるからだ。この点はつとに指摘されてきており、Firefoxの継続使用率を高めるうえで、アドオンは不可欠といえる。そのアドオンを、新規ユーザーを獲得するための呼び水にも使えないか、というのが筆者の問題意識である。

アドオンのPRのため、紹介記事が果たす役割は非常に大きい。Webの商業メディアで「おすすめアドオン集」の紹介は定番だし、国内で個人が運営しているものに限っても、最大手の「Mozilla Re-Mix」のほか、「FOX * FOX」や「Firefox更新情報Wikiブログ」など、アドオンを継続的に紹介しているWebサイトは少なくない。

だが、紹介記事の貢献を踏まえつつあえて言わせてもらえれば、紹介方法のバリエーションにもう少し工夫の余地があるように感じられる。

たとえば、特定の目的や傾向に沿ったアドオンを総花的に扱うケースは別にして、なぜアドオンの紹介記事は、「一記事一アドオン」のパターンで占められているのだろうか。これが商品のテレビCMなら、買い取った枠内で広告効果を最大化する必要があるとの理由が考えられるだろう。しかし、アドオンの紹介記事にそうした制約は関係がない。むしろ、あるアドオンと別のアドオンを一緒に使ったほうが便利だというノウハウがあるはずで、それを知りたいユーザーも多いのではないか。

また、アドオンを紹介する際、機能の説明に重点が置かれることが多いと思うのだが、このスタイルだと高機能なアドオンほど、あれもできる、これもできるといった話になって、ポイントが掴みにくくなるおそれはないだろうか。ここで言いたいのは、オールインワン型を選ぶか単機能型を選ぶかといった選定の問題ではなく、オールインワン型のアドオンであっても、あえて紹介する機能のフォーカスを絞って説明することで、従来とはやや違った形でユーザーにメッセージを届けられるのではないかという点である。

そして、機能のフォーカスを絞った後は、使ったときのメリットにピントを当てなければならない。抽象的な例で恐縮だが、こんな感じである。「○○ができればメリットは大きい。そのために使うべきはアドオンXの機能Yだ。このアドオンには他にもいろいろ機能があるけれども、今は知らなくていい。機能YのためだけにアドオンXをインストールする価値がある」。

まとめよう。アドオンの紹介記事の中で、1)アドオンを組み合わせたときに何ができるか示す、あるいは2)使用時のメリットにピントを当ててわざと機能の説明を絞る。新規ユーザーがアドオンに興味をもちやすくなるように、そうした記事が豊富に出てくることを期待している。