Mozilla Flux

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Firefox 3.5 RC1のリリースを巡る微妙な状況

Firefox 3.5 RC1のリリースを前倒しできるのか、できないのか。相反する動きがあって、なかなか確定できない。

まずは前倒しできる側の情報を見てみよう。今週のDevelopment Meetingが伝えるところによると、QAチームによるテストはかなり順調で、6月19日(米国時間。以下同じ)にもRC1のリリースが可能だという。しかも、6月16日、つまり日本時間の今日だが、3.5 Betaユーザー(Beta 4限定かは不明)にRC1アップデートを先行して提供するとしている。

この目標スケジュールでは、6月25日に翌週ローンチするかを決定することになっている。前から述べているとおり、6月中のリリースが前提で、時差の問題があるので、これはイコール29日のリリースを意味する。25日の時点で問題がなければ、29日に正式版を出すと言っているわけだ。

これだけで終わればよかったのだが、話はそう単純ではなかった。同じMeetingで、「ready to start FF3.5rc1build3 when we get "go"」とも発表されたからだ。RC1は現在Build 2で、一回ビルドをやり直しているが、この点がQAの作業に影響を与えないことは、やはりこのMeeting内で明らかにされている。とすれば、3.5 Betaユーザーに届くのはこのBuild 2になるのが自然な流れだ。

しかし、Build 3をこれから出すという。実際、”Bug 496542 - Duplicate entries in History sidebar and Library”がBlockerバグに指定され、パッチがTrunkに入ったばかりだ。Build 3はこれを拾うのだろう。もう一つ、Blockerにノミネートされ、パッチがTrunkに入ったばかりの”Bug 498530 - Firefox crashes [@ memmove] after updating text box triggering update of AJAX based page”も加わる可能性がある。

BetaユーザーにBuild 2を提供し、一般ユーザーにBuild 3を提供するのでは、ちぐはぐになる。ふつうに考えれば、そんな提供の仕方はありえない。そして、Build 2に関しては、アップデートシステムのバグを修正しただけだからよかったが、Build 3に入るパッチは、本体に及ぼす影響がもっと広いかもしれない。つまり、QA作業に遅れが出ることが危惧される。

そうした経緯があるので、19日のリリースと断定するのは非常に難しい。また、Betaユーザーへの先行提供も取りやめになるかもしれない。ただ、来週にRC1が出るとしても、6月23日よりは、22日になる可能性が高まったことは確かだ。