今週開かれた開発者ミーティングから、注目の情報を選んで掲載。日時はすべて米国太平洋夏時間(PDT)が基準で、日本時間とはずれる。なお、目につくほどのニュースがないミーティングには触れない場合もある。
Firefox Product Delivery Meeting(2009-06-10実施)
Firefox 3.5 RC1は、残り数個のBlockerバグを潰す最終段階に突入している。これを書いている時点で、Mozilla Corporation内においてテストデーが実施されているが、Blockerが増えた様子はない。どうやら今週中にコードフリーズしそうだ。
Firefox 3.0.11は11日午後3時ころのリリースが予定されており、日本時間でもう間もなくアップデートが始まるだろう。
Mozilla Add-onsの関係では、Firefox 3.5に対するアドオンの互換性が77%になった。また、正式版リリース後には「Extend Firefox 3.5」というアドオンのコンテストを行うらしい(現在準備中)。
PR方面では、Firefox 3.5 RC1のリリースと同時に新機能を紹介したビデオを公開する。
Development Meeting(2009-06-09実施)
Firefox 3.5のBlockerについて、ノミネートされたバグを少なくとも一日2回チェックして見定めている。また、Branchへパッチを投入する承認は、非常に厳しく制限されている。
開発陣は、Firefox.nextに向けて走り出した。たとえば、GFXチームでいうと、Windows 7のジャンプリストへの対応(Firefox 3.5へバックポートするかは検討中)、Canvas3Dの統合(来週Trunkで動きがある予定)のほか、グラフィックス処理のマルチプロセス化も調査に着手する。
また、Contentチームは、HTML5パーザ(Bug 487949 - [HTML5] Land HTML5 parser on m-c preffed off)を開発中で、これはパッチがレビューを受けるところまできている。ちなみに、1.57MBという特大のパッチだ。
マルチプロセス関連では、プラグインのロードと初期化を別プロセスで行うことに成功した。これは、Firefox.nextでは、Safari 4のようにプラグインを別プロセスに割り当てる可能性があることを意味する。
最後に、Firefox 3.0.12は、コードフリーズがあと1週間に迫ったのに、未修正のBlockerが34個あると報告されている。コードフリーズと、それに合わせてリリース日が延期される可能性はかなり高い。
Thunderbird Status Meeting(2009-06-09実施)
新検索エンジンに関するパッチは、完成に近づいてきたようだが、まだUIの調整が残っているらしい。今週中の完成を目指しているものの、果たしてどうなるか。
フォルダペインの再設計も進行中で、実験用ビルドを用いて調整を行う段階まできた。
そのほか、メールの送信をバックグラウンドで処理(Bug 440794)して、ユーザーの待ち時間を減らす機能など、Thunderbird 3 Beta 3が対象にしている個所は相当多岐にわたっている。
なお、Beta 3のBlockerは現在34個。うちb3uxのフラグが付いたものが10個である。スケジュール上はリリースが6月中となっているけれども、7月にずれ込んでもまったくおかしくない状況である。