Mozilla Flux

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Previewの後にRC1を出す流れか

掲示板のあるスレッドにこんな書き込みがあった。


267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 23:13:10 [] id:sK7f0hzg0[]
Firefox 3.5 Preview
http://d.hatena.ne.jp/Rockridge/20090606/1244247432

1.0Preview Releaseのこと知らないのか?

知らなかったので調べてみた。すると、Ben Goodger氏(元Firefoxの開発リーダー。今はGoogle Chromeの開発リーダー)が『Firefox 1.0 Preview Release』という記事を書いているのを見つけた。

On choosing the name we sought something that did not undermine the fact that we've never labeled any of our previous releases "alphas" or "betas" and despite their pre-release status have gained noticable usage statistics. We felt that releasing a "1.0 beta" may scare people away, so looked for something gentler. We paused on "Release Candidate" but it was correctly pointed out to us that doing release candidates when we know full well that all the content of RTM is not there is somewhat bogus. So we settled on that tried and true moniker, "Preview Release".

要するに、Betaの名前だと試用を敬遠する人が出てくるけれども、「リリース候補(RC)」の名称は、そのまま正式版にできるクオリティに達しないかぎり付けたくない。そこで「Preview Release」を名乗ったというわけだ。記事は2004年7月25日付けになっているので、5年近くも前の話である。

今回、古い例を引っ張ってきて同じことを企てているのだとすると、Firefox 3.5 Previewというバージョンが出ても何もおかしくないわけだ。ただ、前例によると「Preview Release」の後にRCを出している。これも踏襲するなら、RC1=正式版になるとしても、やはりRC1後に少し間をおく必要がある。

現在QAスタッフは土日返上で作業を進めており、6月12日(米国時間。以下同じ)にテストを終了させるつもりだとみられる。ユーザーからのフィードバックを基に実質的な修正作業を施すなら、その次のリリースは6月第4週になるはず。いきなり正式版を持ってこずにRC1とし、しかも6月中の最終リリースを維持するとなると、6月22〜24日には出さないとまずい。これでもイベントの運営に差し障りがあるような気はするが。そして、正式版は、時差を考えると6月29日しかリリースのタイミングがない。

ほとんどラベリングの問題でしかないが、結局のところ、RC1の開発作業が遅れたため、一部の修正を後回しにできるように、本来「RC1→RC2=正式版」の流れで考えていたのを、「Preview→RC1=正式版」に変えたというあたりが真相っぽい。

筆者としては、最終RCを出してから少し待ち、看板を掛け替えて正式版を名乗るというプロセスは無駄に思うが、開発者たちが手順にこだわるなら仕方がない。6月第4週に正式版が出るかどうかは微妙になった。6月29日(日本時間30日)のリリースが可能性としては一番高そうだ。