Mozilla Flux

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新アイコンの最新ドラフトその他

Firefox 3.5の新アイコンはデザインの調整が続いており、先ごろ5月18日版が公開された。Firefox 3.5 RC1のコードフリーズが近づいており、作業も大詰めを迎えているものとみられる。

最新のデザインでは、「頭部と脚」「毛皮のテクスチャ」「Firefoxと地球の間の影」「地球」については確定になったようだ。ただし、地球に関して、下側の光源を取り除く可能性があるという。

まだ固まっていないのは尻尾の形状、色、テクスチャである。現行のものは少しばかり攻撃的で恐ろしい感じがするので、もう少しソフトにすることを検討しているそうだ。

デザインが最終的に確定した時点で、48×48などの個別サイズのアイコンが作成されることになる。『New Firefox Icon: Q&A』によれば、Firefoxがどのプラットフォームでもほぼ同一であることを示すため、OSごとにデザインを変えることはしないとのこと。

新デザインに対してはいろいろと意見が出されていて、Alex Faaborg氏が代表的なものを紹介しているのだが、中でも次の意見が非常に気になった。

Same as we always say “security/privacy first”, I think “easy/safe to use” or “feel comfortable” are more important than “fast/cool browser” or “new/powerful platform”. (cool? robots on the shiretoko firstrun pages are negative example) I have heard no favorable comment for new logo so far in japan, since current (fx3) logo looks much cuter. Please keep the logo looks *cute*, not only cool. Especially children and women tend to try/keep using cute things. As far as I talked/worked with non-geek students, not a few people (at least in Japan) start using Firefox when they find cute logo on their desktop.

「今のところ日本で新ロゴに対し好意的なコメントを聞いたことがない」とあるほか、他の記述からみても、これは日本人のコメントだろう。この方は旧アイコンが好みで、新アイコンに否定的なようだ(Shiretokoのロボットも)。それは個人の嗜好の問題なのでまったく構わないわけだが、「日本の消費者はかわいいものでないと気に入らない」といったステレオタイプをなぜ煽るのか。

Faaborg氏は、ブラウザのブランディングとは別に、フォクすけのように地域の実情に応じたプロモーション用素材が提供されることを何ら否定しない。新アイコンからかわいさを削ることはないとしつつ、地域ごとにアイコンを変えてブランド認識を混乱させることには反対だ。要するに、もっとかわいくしろという上の意見は却下されたといえるが、注意すべきはステレオタイプまで却下されたわけではない点である。「かわいいものが好みなら日本独自にマーケティングをやれば」と言っているのだから。

言うまでもなく、日本人のデザインに対する好みは多様であり、とても一般化などできるものではない。「かわいいもの」に対し親和的であるとはいえても、「クールなもの」よりも「かわいいもの」を好むと主張するのは無理があろう。だが、Faaborg氏にそのような実情を知っていろというのも酷な話である。上の意見によって同氏が日本の文化を誤解していないことを願うばかりだ。