Mozilla Flux

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セキュリティホール memoにdisられた

非常に光栄なことなので、こちらもdisってお返しせねば。

(引用元)
http://www.st.ryukoku.ac.jp/~kjm/security/memo/2009/05.html#20090507__NoScript

一点目。

話はそれだけでは終わらない。Maone氏がユーザーの承諾を求めるよう変更したNoScript 1.9.2.5をAMOに提出してレビューを申請したときには、AMOのスタンスも厳しくなっていたのである。オプトイン用のダイアログを追加するだけでは不十分であり、そもそもAdblock Plusのホワイトリストへの追加はNoScriptの機能と関連しないから、そのような措置は認められないと通告された。つまり、NoScriptがホワイトリストに手を出すこと自体がアウトになったわけだ。

 誤解を招く表現だな……。AMO は「そもそもAdblock Plusのホワイトリストへの追加はNoScriptの機能と関連しないから」Adblock Plus ホワイトリストをいじっちゃだめ、と言っているのであろ。もしも「Adblock Plusのホワイトリストへの追加がNoScriptの機能と関連」していたのであれば、Adblock Plus ホワイトリストの操作は許容されたであろ。もちろん、相応のダイアログ等による確認の上で。

「誤解を招く表現だな……。」以外はおっしゃるとおり。しかし、引用していただいた個所は、経緯を説明している部分。そこだけ切り取られても困る。『NoScriptの全面譲歩で決着』では、後半、AMOの新ポリシーが二つのハードルを課している旨を説明した。「当該アドオンの中核機能との関連性」がそのハードルの一つで、NoScriptには既に適用されたとも書いた。厳密にはポリシーでは「中核」機能に限定しているため、後になるほど制約は強まっているのだが、機能的な関連性があれば他のアドオンの設定を変更しても構わないという点は、AMOの立場として一貫している。

文脈や段落を無視して一部分だけ切り取るといった底意地の悪いことをしないかぎり、ふつうの読解力があれば、中の人が上で「解説」した内容は読み取れるはず。つまり、したり顔でコメントされているけれども、原文の内容をなぞっているにすぎない。

二点目。

 あと、No Surprises の訳の部分が変なので、原文を読んだ方がいい。

これはひどい。全部おかしいのか、一部だけおかしいのかも示さないまま、「変」の一言で切り捨てるとは。さすが大御所。「俺の言うことは正しい」と自信がおありのようだ。

おそらく、「non-default」を含む訳文のところを指しているだろうが、反論として、コメント欄で筆者が説明した内容を掲げておく。

(引用元)
http://d.hatena.ne.jp/Rockridge/20090504/1241415765#c1241505664

ご指摘の文が直訳になっている点ですが、あえてそうしてあります。原文が「non-default」という回りくどい言い方をしているのは、理由があってそうしているのだろうと考えたからです。

仮にアドオン作者が、設定変更をデフォルトであるような、ないような曖昧な扱いにする方法を思いついたとしましょう。「デフォルトで有効にするな」という消極的なルールなら、作者は言い逃れができますが、「非デフォルトにしろ」という積極的なルールなら、作者は説明責任を負います。仮定した方法が実際に存在するかは分かりませんが、将来のトラブルを避けるようにルールを設定しておくのは賢いやり方です。

そういうわけで、原文があえて回りくどい言い方にしている以上、訳文もそれにしたがうべきだと考えました。

別の言い方をすると、原文はルールを書いているので、それを意訳するのは危険だということである。ルールは、あえて抽象的にして個別の事例に解釈で対応できるようにしている場合もあれば、わかりにくくても概念をきっちり定めて適用範囲を明確にする場合もある。ルール作成者の意図を正確に把握できるなら、それを踏まえて意訳してもいいが、できなければ意訳は翻訳者による特定の解釈が余計なノイズになりかねない。中の人はこのことを理解しているのだろうか。

以上が反論だが、もっと基本的なところで、何か訳語を間違えていたのかもしれない。単純な翻訳ミスならすぐに対応するつもりだ。しかし、「訳の部分が変」と言われただけではそれも分からない。非生産的な指摘だと思う。

全般的に、「何か言っておきたかった」のは伝わるが、どれも中途半端だ。