Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

今週のMeeting要旨 090423版

今週開かれた開発者ミーティングから、注目の情報を選んで掲載。日付はすべて米国太平洋夏時間(PDT)を基準にしているので、日本時間とはずれる。

Firefox Product Delivery Meeting(2009-04-22実施)

P2以下のBlockerバグを「for final ship」と表現していることから、やはりBeta 5を出さずにRC1に移行する意思は強いようである。

先週はTraceMonkeyの自動テストが行われ、トップサイトにおいて二つの重要なリグレッションを発見した。こうした形でチェックがされれば、ユーザーからのフィードバックを待つまでもなく、大きなバグを潰せる。今後も自動テストは強化されていくだろう。

ミーティング要旨には、Beta 3後に変更されたC APIが記載されている。興味のある方はご一読を。

あと、Firefox 3.5のリリースに合わせて、「Fastest Firefox」キャンペーンを実施するそうだ。スピードに重点を置いたアピールをするというわけだが、やや不安も感じる。スピードだけで言うと、Google Chrome 2.0、Safari 4、Opera 10といずれ劣らぬ強敵が周りに揃っている。他社との比較はキャンペーンで行わないとしても、その他社が放っておきそうにない。アドオンも含めた総合力をアピールしたほうがよくはないか。

Development Meeting(2009-04-21実施)

Firefox 3.5について、フロントエンドではチャレンジが必要なバグや、リスクのあるバグはなくなったという。バックエンドのGecko 1.9.1に関して、Video/AudioのBlockerは17個あるが、リストを削ってスケジュールを遅らせないようにするらしい。あと、「ビデオのデコード+オーディオの再生」を現在は一つのスレッドで行っているが、これを別々のスレッドにすることで、高解像度のビデオ再生をスムーズにする取り組みが進行中である。

Firefox.nextでは、Trunk(mozilla-central)に近々HTML5のパーザが入るとのこと。ただし、当初はデフォルトでオフの状態である。

Firefox 3.0.10は、4月22日コードフリーズの予定。

Thunderbird Status Meeting(2009-04-21実施)

Thunderbird 3 Beta 3のBlockerは62個(先週-2)あり、うちb3uxのサブフラグがついたバグは26個(先週-0)となっている。コードフリーズが近づきつつあるのに、ほとんど減っていない。

ミーティングでは、バグの「slip or cut」について議論された模様。Beta 3のリリース日は守る方向らしいので、RC1に回せるものは回し、ダメならカットになるだろう。

日本語の全文検索に関連するBug 472764もその例外ではない。今の状況でGlodaをオンにすると、日本語を含むCJKの検索能力が一時的にかなり悪化するおそれがあるけれども、英語版でのみGlodaをオンにすると、ロケールによって機能が違うことになって都合が悪い。ところが、担当者は他の機能の開発も抱えているため、十分な時間を充てることができないようなのだ。ただ、この機能はさすがにカットできないので、RC1に回すほかないだろう。

Mobile Meeting(2009-04-20実施)

新UIはGecko 1.9.1がサポートするCSS3の機能を使って、ウィジェットやボタンの見映えをよくするそうだ(例1例2)。

Geolocationのサポートでは、ネットワークベースのプロバイダーをサポートする機能が入った。