Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

Weekly Updates 2009-04-20

Mozillaのプロジェクト全体について開発状況を報告し合う会議が毎週開かれている。その報告のまとめがWeekly Updatesだ。2009-04-20版(米国太平洋夏時間:PDT)から注目の内容をピックアップ。

Firefox 3.5関係

Beta 4のコードフリーズは遅れているが、従来のスケジュールを維持するという。どうやら本日中にP1 Blockerを片付けるつもりらしい。QAにかかる時間を切り詰めるとして、4月24日の遅い時間にぎりぎりリリースできるかどうかといったところ。むしろ来週にずれ込んでも何ら不思議はない情勢だ。

バックエンド(Gecko 1.9.1)をみると、JavaScriptのBlockerバグは29個で、先々週との比較では+5個となる。うちP1が5個なのだが、パッチの出ていないものもあり、あと半日程度で解決できるとする根拠は心許ない。クラッシュバグがないのだけは救いだが。その他はFinal Blockerが23個で、先々週との比較で-4個。こちらもゆっくりとした歩みだ。

フロントエンドのFinal Blockerは9個(先週+3)に増えたが、複雑なものはなくなったそうだ。P1 Blockerの”Bug 488984 - when draging tab to content area aEvent.screenX/Y in _onDragEnd is always 0 (breaks tab tearing)”は、Alice0775氏が『タブの切り離し 何このへんてこりんな仕様は』で指摘している問題を具体化した一つ。コンテンツ領域にドロップしたときの挙動を扱う。これに対し、ウィンドウ外にタブをドロップしたときの挙動については、次のマイルストーンに回らざるを得ない。

Firefox 3.5のBlocker総数は74個(先週+8)で、うちP1が8個(ただしコードフリーズに影響するのは6個)。P1はすぐにリストから落ちるとしても、総数は先週から減らないままだ。Trunkで修正されつつBranchでは未了のバグだが、他のパッチなどで修正されたものが多数あり、リストの数字が当てにならなくなってきた。とりあえず、P1で9個、さらに[needs 191 landing] のフラグで4個、パッチをBranchに投入する余地がある。今日コードフリーズするつもりなら、これらは絶対にチェックインが必要だ。

製品一般

Firefox 3.0.9はスケジュールが持ち直し、4月21日(日本時間22日)のリリースが確定した。3.0.10は5月19日のリリースを予定している。

Windows Mobile版FennecはBlockerがようやく残り2個となり、今週中にリリースされそうだ。

その他

Spread Firefoxのリニューアルは、とうとう時期未定となってしまった(Bug 481632)。これでは開発工程に問題があったと言われても仕方ないだろう。フォクすけがトップページを飾るのはいつになることやら。

アドオンの互換性に関して、統計からSunのJavaコンソールを外した。「ユーザー体験へのインパクトとアップデート状況」が理由だというが、イマイチよくわからない。ただ、Beta 3への対応率が77%(先週+9%)に跳ね上がっている点からすると、Javaコンソールがなかなかアップデートされないことが統計にとってネックになっていた模様。

support.mozilla.comは、5月中をメドに1.1へのアップデートを計画している。その目玉はスクリーンキャストのサポートで、動画による解説が加わることを意味する。ライブチャットは人手がないと回せないが、文章と画像だけでは説明に限界がある。そこで動画というわけだが、サーバーに負荷がかかるので、対応コンテンツは少しずつしか増やせないだろう。