Mozilla Flux

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Firefoxをインストールする際のネックは?

Mozillaは、Firefoxのユーザーを増やすためにさまざまな努力を行っているが、その方向性を見定めるためには、Firefoxの利用を阻害する要因を探ることが重要だ。Webサイトのユーザーインターフェイスを改良して、インストーラのダウンロードをスムーズに行えるようにする取り組みは、これまでも紹介してきた。今回は、ダウンロード後、それを実際にインストールしてもらうための研究を取り上げよう。

Mozillaは、最近一つのテストを行った。ユーザーがフィードバックを返せるようにする特殊なインストーラ(en-US版)を用意し、一日だけ配布する。フィードバック用プログラムは、ユーザーがインストーラを起動後、インストールを完了するまでの間に中止した場合にのみ起動する。そして、ダウンロードは完了したが、インストールは完了しなかった5万人を母集団として、ユーザーの反応を確かめる。

興味深いことに、キャンセルボタンを押したユーザーはおよそ1万人でしかなかった。インストール未了者5万人の中の話である。残り4万人はインストーラを起動すらしなかった、あるいはできなかったわけだ。だが、これらのユーザーにはインストーラの改良では対処できないため、別の機会にもっと突っ込んだ調査が必要である。

当面の課題は、インストーラの改良で対処できる部分をどうするかだ。そのためには、ユーザーの生の声を聞くことが大事になってくる。Mozillaによれば、フィードバックのフォームにアクセスした人が約5000人で、寄せられたフィードバックは330件だった。

フィードバックを分析した結果、二つの問題点が浮かび上がってきた。「Firefoxを閉じる際の混乱(42%)」と「ディレクトリにアクセスする権限(41%)」がそれで、合わせて八割以上を占めている。

より原因に近づけて整理するとこうなる。

  • Firefoxがクリーンな形で終了していない(たとえばゾンビプロセス)
  • 管理者権限のないユーザーにおけるディレクトリ位置の問題

問題の所在がこれではっきりした。対策はこれから検討されることになるが、なかなか難しそうだ。どちらもOS絡みの問題である。前者は、残存するFirefoxのプロセスをインストーラが消去できればいいのだが、簡単に消去できないような状態になっているからこそユーザーが躓くのだとも考えられる。後者については、Google ChromeのようにVistaのユーザーアカウント制御(UAC)に引っかからない場所にインストールするという手もあるが、その変更はFirefoxにとって大きな決断となるだろう。

効果は薄くなるが、簡単な手としては、キャンセルしたユーザーにメッセージを出すという方法がある。「インストールがうまくいきませんでしたか?」と表題を付けて、その後に、上に挙げた二つの問題について説明するわけだ。残存プロセスの問題では、OSの再起動を促すのが手っ取り早い。権限の問題については、ヘルプを用意して別のWebブラウザで見てもらう。多少は状況が改善するはずだ。