Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

Thunderbird 3 Beta 3のリリースは5月5日を予定

今週のThunderbird Status Meeting(2009-03-10版)より。なお、日付は米国太平洋夏時間(PDT)を基準にしているので、日本時間とはずれる。

Thunderbird 3 Beta 3のリリース予定日を5月5日とするスケジュールが会議で提案された。これまでのパターンだと、大まかには根回し済みなので、外部から強い反対が出ない限りこのまま確定するはずだ。スケジュール案から必要な情報をピックアップすると、次のようになる。

  • ストリングフリーズ/コードフリーズ:2009-04-28
  • リリース:2009-05-05

原文には"Slushy Code Freeze"などの文言がみえるが、これは、直訳すると「ドロドロのコードフリーズ」で、通常よりもチェックインの基準が厳しくなるが、"Firm Code Freeze"(固いコードフリーズ)と比べると緩いステージを指す。Firefox 3.1 Beta 2の開発において初めて採用された、いわば二段階方式で、Thunderbirdの開発チームも好んでこれを取り入れている。

そうした装飾を剥いでみれば、コードフリーズ日は『Thunderbird 3 Beta 3に向けて』の追記で紹介した"Straw Man Schedule"と一致する。念のため再掲しておこう。

Friday, April 24               Friday, June 26
3.0b3 slushy string freeze     3.0 slushy string freeze
       |                           |
=============+====+================+===============+=========
                  |                                |
    3.0b3 firm string/code freeze       3.0rc1 firm string/code freeze
              Tuesday, April 28                Tuesday, July 7
                  ^
                  |
                  |
           3.0 feature slush
        3.0 extension API slush

要するにThunderbirdの主要開発者たちは、このたたき台に沿って作業を進めるつもりなのだ。今回、Beta 3のリリース日がコードフリーズの一週間後とされているから、次のRC1のリリースは、7月7日から一週間経過した7月14日を考えていると推測できる。

通常、RCのリリースから正式版までの期間は一ヶ月弱だ。ユーザーからのフィードバックを受けて必要な個所を修正し、QAにも時間をかけねばならないので、どうしてもそれくらいかかる。すると、Thunderbird 3正式版のリリースは8月上旬から中旬になる計算だ。

当初の案では、RC1のコードフリーズを3月31日としていた(『Thunderbird 3 RC1のスケジュール(仮)』参照)。それと比較すると大きく後退してしまったが、Thunderbird 3は新機能に関して非常に野心的であり、クオリティを考えればやむを得ないのかもしれない。

会議での発表によれば、Thunderbird 3 Beta 2を日々利用しているユーザーの数は、1万1千人弱だという。直接的にはBeta 2のスタートページへのユニークアクセスをカウントしているのだが、ほとんどすべてのユーザーがスタートページを変更していないと考えられるし、Beta 2を仕事場と自宅の両方で使用するユーザーも珍しいだろうから、このアクセス数はほぼアクティブなユーザー数に等しい。リリースからまだ数週間しか経過していないのに、Webブラウザほど気軽にBeta版を試せないメールソフトで、これだけのアクティブユーザーがいるのはたいしたものだ。

大きく期待されているのだから、スケジュールが遅れた分、内容で取り返してほしい。最先端のメールソフトだとユーザーを納得させるだけの、レベルの高さを見せてもらいたい。Thunderbird 3は、次のBeta 3でフィーチャーフリーズ(仕様凍結)を迎える。5月5日(日本時間では6日)にどのような結果を出せるのかが試金石となるだろう。