Mozilla Flux

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ロケーションバーの検索速度をアップさせる試み

Firefox 3.1では、3.0.xと比べてロケーションバーがよりスマートな処理をするようになっている。が、どうやらそこでパフォーマンスがある程度犠牲になってしまったらしい。最新のShiretoko(3.1b3pre, ID:20090225031913)には、"Bug 478097 - Make location bar AutoComplete faster"のパッチがチェックインされ、15%〜20%も履歴などの検索速度が向上したのだが、このパッチの作者Shawn Wilsher氏は、より根本的な改良を目指している。

"Bug 455555 - Use asynchronous queries for places autocomplete"がそれで、非同期ストレージAPIを追加することによって、ディスクアクセスによる遅延を減らすもののようだ。3.1に導入するには変更が大きすぎるということで、その先のバージョンでの実装を目指しているが、既にテストビルドが作成されており、本家mozillaZine Forumでもテスト参加者を募っている

利用者の報告によれば、かなりパフォーマンスが上がるらしい。ただし、現時点ではバグも多数あるようだ。Wilsher氏は、フィードバックを受けて迅速に改良を進めている(続報1続報2)。

さらに興味深いのは、このテストにも参加しているEdward Lee氏が、別のアプローチでパフォーマンスアップの道を探っている点だ。クエリー(データベースの処理要求)を調整して、重複部分を取り除いた結果、手元の環境で劇的に高速化したと主張している。具体的には、Firefox 3.1で落ち込んだ分をカバーしただけでなく、3.0.xよりも速くなったという。

こちらもBugzillaでパッチ("Bug 479739 - Make location bar autocomplete even faster")とテストビルドが公開されている。特徴は、修正内容がわずかである点で、リグレッションを引き起こすリスクが低ければ、Firefox 3.1への投入も期待できそうだ。