Mozilla Flux

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Development Meeting 2009-02-10

今週のDevelopment Meeting(2009-02-10実施)より。なお、日付は米国太平洋標準時(PST)を基準にしているので、日本時間とはずれる。

Firefox 3.0.8のリリース予定日が4月7日に決まった。短縮された開発サイクルは完全に定着したといえる。それにしても、このニュースを冒頭にもってこざるを得ないほど、会議の要旨は新味に乏しい。
(09/02/14追記)
現在では4月14日に変更されている。『FPD Meeting 2009-02-11』参照。

Beta 3のBlockerが19個で、うちバックエンドが18(JavaScript関係が17)。新しいバグが入ってくるので、いつまで経っても減らない。それでも、JavaScriptエンジンの開発チームによれば、見た目ほど状況は悪くないのだそうだ。ただ、トリッキーなバグが一つ残っているという。

説明を手がかりにすると、そのバグは"Bug 452498 - TM: Can we jit heavyweight functions? (upvar, part deux)"で間違いないだろう。内容は、これまでTraceMonkeyによるJITの対象になっていなかった処理を対象に含めるもののようだ。パフォーマンスアップに貢献することは確実だが、開発は難航している。

担当者は、Brendan Eich氏で、JavaScriptという言語の生みの親にあたる大物だ。Bug 452498のコメント欄を見ると、インフルエンザに罹って開発が遅れるハプニングもあったらしい。パッチは現在ようやくテストが可能なレベルになった。今後、改良を重ねて、TraceMonkey用のリポジトリ、Trunk、1.9.1 Branchと順に修正が入っていく。どうやらコードフリーズまでにはまだ時間がかかりそうだ。

他方で、Beta 3向けの作業が終わったチームは、RC1向けの作業に取り組んでいる。フロントエンドには24個のバグがあり、目標では2月23日までに全部あるいはほぼ全部の修正作業を終えることになっている(昨日よりも若干表現が後退した)。

問題はやはりバックエンド側で、リストには93個のバグがある。JavaScript関連が多いのはわかりきっているとして、HTML5のVideo / Audio要素をサポートするために必要なコントロールにも、案外バグが多い。これらをきれいに片付けようと思えば、軽く1か月はかかるだろう。RC1を3月末に出せないと、正式版のリリースも5月にずれ込む危険性がある。Beta 3向けの作業を終えた時点で峠を越えているのであればいいが。