Mozilla Flux

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Windows版Firefox 57で既定の日本語フォントをメイリオに変更

Windows版Firefox 57では、対象言語が日本語の場合におけるゴシック体(Sans-serif)の既定のフォントが「メイリオ」に、明朝体(Serif)の既定のフォントが「游明朝」に変更される(Bug 1354004)。これまで、ゴシック体は「MS Pゴシック」、明朝体は「MS P明朝」が既定のフォントであり、日本語版Firefoxでは初期設定で「MS Pゴシック」がWebページの表示に使用されるフォントとなっていた。Firefox 57からはこの表示フォントがメイリオに切り替わる。*1

mozilla.dev.platformの"Intent to ship: Changing default Japanese fonts to modern fonts"スレッドでは、モダンなフォントに切り替えるにあたって、「游ゴシック」ではなくメイリオを選んだ理由が説明されている。メイリオは、システム言語が日本語であればFirefoxがサポートするWindows 7以降で広く使えるし、Google ChromeやMicrosoft Edgeが既定のフォントとして採用済みなので、ブラウザ間の互換性も高まる。これに対し游ゴシックは、表示された文字が細すぎて読みにくい。そうした検討の結果、メイリオに軍配が上がった。

メイリオを標準で採用した場合、CSSのfont-styleで"italic"や"oblique"を指定しても、イタリック体や斜体にならないという問題があった。Microsoftによれば、これは仕様である。

メイリオ フォントの斜体スタイルは、英語 (半角のアルファベット、数字、記号) のみ対応しています。このためメイリオ フォントを使用している場合、フォント スタイルを斜体に変更すると、半角の英語のみ斜体スタイルが適用されます。

https://support.microsoft.com/ja-jp/help/929886

しかし、Mozillaは処理を工夫することで、この問題を回避した(Bug 1351332)。たとえばem要素が指定されている場合も、メイリオフォントが指定された文字は斜体になる。こうした工夫はChromeやEdgeには見られないものだ。ちなみに、該当する修正はFirefox 55リリース版にも入っている。

Firefox 57はPhotonプロジェクトの新デザインが披露される場なので、アップデート後に再起動すると見た目が大きく変わっているわけだが、さらに既定のフォントが変わることで、Webページを表示した際に受ける印象も違ってくることだろう。

なお、等幅(Monospace)の既定のフォントは従来通り「MS ゴシック」が用いられる。また、今回の措置は将来リリースされるThunderbird 59にも影響し、HTMLメールはメイリオで表示されるようになる。

*1:Firefox 55以降のNightlyチャンネルやDeveloper Editionでは変更済み(Bug 548311)。