やすっち。さんからコメント欄で提供していただいた情報によると、Bugzilla@Mozillaに”Bug 536188 – Create a project branch for Firefox "Lorentz"”というバグが立てられている。非公式のプロジェクト名「Lorentz」用にブランチを作成するというもので、Firefox 3.6とは区別される扱いになる。ただし、プロジェクト終了後はGecko 1.9.2に統合されるという。
新ブランチは1月中旬のスタートを予定しており、Nightlyビルドが提供されることになりそうだ。また、Firefox 3.7正式版のリリース目標は3月下旬とのことである。
サポート対象OSについて、「All the OSes associated with 1.9.2」となっていることから、Firefox 3.7はFirefox 3.6と変わらない模様。3.6から自動アップデートで提供されることを考えても、自然な流れである。もともとFirefox 3.7はサポート対象OSを変更することになっており、Windows XP SP2以降・Mac OS X 10.5以降の動作しか保証されない予定だったが、変更の実施はFirefox 4.0にシフトしたのだろう。
とはいえ、問題は残る。Makoto Kato氏は、最近Trunk(3.7a1pre)に投入されたプラグインの別プロセス化(OOPP)機能について、次のようにコメントされている。
そっか、RtlGenRandom() がXP移行[以降]でしか動かないから、OOP化するとWindows 2000で動かないのか。Chromiumのコードを持ってきた弊害の一つだね
ここで、ChromiumはGoogle Chromeとほぼ同じと考えてよい。ChromeがWindows 2000をサポートしていないことからすると、上記の現象はバグではない。しかし、移植した側のMozillaが、Firefox 3.7のサポート対象OSを3.6と同じにすると決めた時点で、これはFirefox 3.7のバグとなる。
独自に修正するほかないわけだが、プロジェクトの期間がわずか3か月しかないのが気になるところだ。現在あるOOPP関連のバグを修正するだけでなく、基盤となるコードに手を入れている余裕まであるのかどうか。
(09/12/30追記)
やはり、基盤となるコードにまで手を入れている余裕はなかった模様。Makoto Kato氏のコメント。
e10s自体、Windows 2000の場合はDisableにするということで話が落ち着きそう。ウケる
Windows 2000でOOPPは無効にしてしまうという話。力業で解決しにかかった印象である。何としてもスケジュールは維持したいわけか。
(10/01/11追記)
該当バグ(Bug 536303)を発見。Windows 2000またはそれ以前のバージョンでは、OOPPが無効になることで確定した。