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Thunderbird 3.1が早ければ2010年3月末にもリリース 自動アップデートによる提供へ

mozilla.dev.apps.thunderbird「draft thunderbird 3.1 plan」で、Mozilla MessagingのDan Mosedale CTOが、Thunderbird 3.1(以下Tb 3.1)のスケジュールに言及している。参照されている草案(手書きのものを写真化)によれば、リリースは3月末を目標としているようだ。

正式版の前に、Milestone 1(以下M1)、M2、RC1を投入する。Mosedale氏の説明では、従来のようなAlpha、Betaといった呼称を使うべきか検討中とのことだが、暫定的にM1はThunderbird 3.1a1と呼ばれている模様。この最初のマイルストーンのスケジュールは、次のように設定されている(PST:米国太平洋標準時)。

  • String/code freeze date: 2009-12-29 (Tuesday)
  • l10n-mozilla-1.9.2 freeze date: 2010-01-04 (Monday)
  • Build/relbranch date: 2010-01-05 (Tuesday)
  • Ship date: 2010-01-12 (Tuesday)

ローカライゼーション向けのフリーズ時期が設定されていることからもわかるように、M1は英語(en-US)以外のロケールにも対応することが想定されている。しかし、日本ではちょうど年始の時期に当たるため、日本語版の準備が間に合うかは微妙なところだ。

上記の草案と照らし合わせてみると、M2(Beta版相当)は、2月始めにコードフリーズし、2月上旬のうちにリリースされそうである。この時点でフィーチャーフリーズ(仕様確定)となり、コードフリーズ直後にリリース用ブランチが作成される見通しだ。

RC1は、バグ修正だけが行われて、3月上旬にリリースとなる。そこから20日間ほど様子を見て、必要ならRC2以降を出し、完成となる。このスケジュールだと、3月末には正式版が登場する。

リリース候補版の期間を長くとるのは、Tb 3.1を自動アップデートで提供することと関わっていよう。Firefox 3.6について言われているのと同じように、Tb 3.1はTb 3.0を置き換えてしまう。つまり、Tb 3.0.1か3.0.2の次は、Tb 3.1になり、それに伴ってTb 3.0.x系列のサポートは打ち切られるわけだ。そうなると、品質の高いものを用意しておかなければ、既存のユーザーに大きな混乱をもたらしかねない。リリース候補版という最もテスターが多い状況で、しっかりテストしておく必要があるため、余裕をもたせたものとみられる。

なお、管理者権限のないユーザーにセキュリティアップデートが通知されない問題(Bug 529742)だが、今のところTb 3.1のBlockerバグに指定されているけれども、Tb 3.0.1に投入されることも充分あり得るだろう。

短期間でのリリースを目指すだけに、投入される機能は限定的なものとなる。たとえば、アカウント管理画面のリニューアルや、フォルダ毎の未読数表示といった、Tb 3.0の開発過程で完成を見ずにカットされた機能は実装されるが、Lightningとの統合はさらに先のバージョンで行われる。Lightning 1.0 Beta 1のリリースが12月3日(PST)時点で2〜3週間先とされており、Tb 3.1のフィーチャーフリーズにはとうてい間に合わないからだ。ただ、Gecko 1.9.2(レンダリングエンジン)をベースにし、TraceMonkey(JavaScriptエンジン)も最新のものになるから、ユーザーインターフェイスの処理が高速になるといったメリットは享受できる。

Mosedale氏は、今後もFirefox 3.6と3.7の先導に従っていきたいと述べており、4〜6か月で小刻みなメジャーリリースを行うつもりだ。となると、Tb 3.1の後は、Gecko 1.9.3ベースのTb 3.2が控えている。予定どおりいけば、2010年第3四半期にリリースされるはずだ。