Mozilla Flux

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最新版をより多くのユーザーへ

やはりというべきか、”Bug 407875 – Unprivileged users are not notified of security updates”(『管理者権限のないユーザーにも更新を通知』参照)はFirefox 3.5.xに移植されるようだ。ただ、Fennec、Thunderbird、SeaMonkeyといった他のアプリケーションにも移植される見通しなので、特定の狙いをもったピンポイントの動きというわけではない。

それでも、セキュリティアップデートのチャンネルを使ったときに、これまでよりも多くのFirefox 3.5.xユーザーにアップデートが届くようになることは確かだ。Firefox 3.6の自動アップデート提供に向けて、外堀が埋まっていく感じではある。

最新版の使用率を高めたいという目的からすると、Firefox 3以前のユーザーに乗り換えてもらうことも当然重要になってくる。米国時間の12月1日には、Firefox 3.0.15ユーザー向けに、3.5.5へのメジャーアップデートが提供された。また、11月下旬には、なんとサポート対象外であるFirefox 2.0.0.20のユーザーに対し、Firefox 3.0.15へのメジャーアップデートが実施されたのだ(従来はFirefox 3.0.6どまり)。Firefoxユーザー全体の5.3%がFirefox 2を使い続けている状況を踏まえたものだが、Firefox 2ユーザーの16%が今回のメジャーアップデートに応じたという。

短期間のうちに実施された2つのメジャーアップデートによって、Firefox 2.0.0.20のユーザーはFirefox 3.5.x系列の最新版に到達する機会を得た。年内にFirefox 3.6が出れば、リリース直後か、そうでなくても数週間以内に、Firefox 3.5.6ユーザーを対象に自動アップデートが行われる可能性が高い*1。アドオンの互換性などの問題があるので、こうした措置には異論もあるだろうが、おそらくMozillaは、Google Chromeに対抗する一方で、バージョン6〜8にユーザーがばらけてしまったInternet Explorerの轍を踏むのを避けようとしているものと思われる。

*1:管理権限のないユーザーが通知を受け取るのは2010年2月2日リリース予定のFirefox 3.5.7を待たねばならない。