Firefox Projectsにまた一つ新たなプロジェクトが加わった。Herdictは、FirefoxのネットワークエラーページにHerdictWebというWebサービスを組み込もうとするもの。では、このHerdictWebとはいったい何だろうか。
Computerworld.jp『ハーバード大学教授、アクセス不可能なサイトを調査できる「Herdict Web」を公開』によれば、次のようなサービスである。
ハーバード大学(Harvard University)教授の法学者ジョナサン・ジットレイン(Jonathan Zittrain)氏が発案したHerdict Webは、アクセス不可能なWebサイトの情報を入手できるWebサイトである。世界中のWebサイト上で、どのサイトがどのくらいの時間ダウンしているのかを調査することができるというものだ。
ユーザーはHerdict Webを見れば、インターネット上にある特定のWebサイトがオン/オフラインになっているかを確認できる。また、利用可能/利用不可能なWebサイトについてのデータも、ユーザー側から簡単に投稿できる。
さらに「Firefox」や「Internet Explorer(IE)」用のHerdictプラグインも用意されている。同プラグインをインストールすると、Webサイトの動作状況を、Herdictの中央データベースにレポートする仕組みになっている。その際には、ユーザーの匿名性は厳守されるという。
もう1つの特徴は、Herdict Webには「Google Map」とマッシュアップされているという点だ。現段階では、どのWebサイトが利用不可能になっているかを、地図上で見ることができる。
引用元の記事では「プラグイン」と書かれているが、ダウンロードページをみると、Firefoxを対象としたプログラムはアドオン形式であることがわかる。このアドオンは、Mozilla Add-onsからもインストール可能だ。
また、Google Mapに表示されるのは、あるWebサイトにアクセスできないと報告したユーザーの所在国・地域であって、対象となるサイトのサーバーがある場所ではないことに注意が必要である。実際には、報告されたサイトごとに生成されるページから、詳細を確認することになるだろう。そこには、アクセスが可能だとする報告の数なども記載されている。
まだプロジェクトは緒に就いたばかりで、MozillaWikiのページにもHerdictWeb側のチームと初期段階のミーティングを行う予定だと記載されているにすぎないが、興味深い動きといえる。このWebサービスがFirefoxと統合されれば、ユーザーは、Web閲覧中にネットワークエラーを目にした際、Webサイトのサーバーが落ちているのか、それとも自分の環境に問題があるのかを判別しやすくなるだろう。