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KompoZer 0.8 Beta 1

紹介が遅れたが、10月12日にKompoZer 0.8 Beta 1がリリースされている。Alpha 4から5か月かかってしまったが、新機能の追加とともにバグ修正もなされて完成度はかなり高まった。

ローカライズ版も着々と

11月上旬に公開された新しいダウンロードページでは、Beta 1のローカライズ版も登場した。対象言語数は10で、残念ながら日本語がまだ含まれていないが、言語パックを後でインストールするのではなく、最初から各国語版がある点はユーザーにとって大きなプラス。KompoZer 0.7.10は21言語に対応済みなので、0.8正式版のリリースまでにはぜひ同数をサポートしてほしいところだ。
(10/01/10追記)現在は日本語版も追加済み。

Beta 1リリース後のユーザーの関心は高いらしく、帯域幅が足りないのでミラーを呼びかけているほどである。Beta 2を経て0.8正式版が出るころには、もっとダウンロード数が伸びることは間違いない。

新機能について

FTPサポート

KompoZer 0.7.xのFTPサポートは、いわば閲覧中のWebページの完全な保存をサーバーに対して行うようなものだった。関連するファイルは1個のサブディレクトリに格納されるため、複数のWebページが1つのスタイルシート(ファイル)を共有することはできず、また、PDFドキュメントなどをアップロードすることもできなかった。

KompoZer 0.8 Beta 1では、FireFTPのコードを利用することで、こうした問題を克服している。ローカルディスクのフォルダ構造をサーバー側に再現できるようになったのだ。ページの発行は、サイトマネージャのコンテクストメニューから可能。

また、FTPのパッシブ(PASV)モードもサポートするようになった。ファイアウォール内のクライアントからもFTP接続ができるというメリットがある。加えて、FTPS(File Transfer Protocol over SSL/TLS)による暗号化通信にも対応した。

Splitモードにおける構文ハイライト

Splitモードは、WYSIWYG編集とソース編集を併用するモードだが、ソース編集のパートで常に構文ハイライトが適用されるようになり、使いやすさが増した。HTMLの要素などは色を変えて表示されるわけだ。

テキストファイルの編集も可能に

SeaMonkey Composerでは可能なのに、Nvu 1.0 / KompoZer 0.7では失われていたテキストファイルの編集機能。0.8 Beta 1は、ASCIIファイルに限りこの機能を再実装することに成功した。マルチバイトはだめなので、日本語は通らないものの、.htaccessファイルの編集はできる。なお、次のバージョンからは構文ハイライトにも対応していくという。

GNU/LinuxでPHPのサポートを改善

MIMEタイプのハンドリング上の問題で、GNU/Linux上のNvu 1.0 / KompoZer 0.7だと外部エディターを選択する画面が出てしまっていたが、KompoZer 0.8では、PHPファイルを正しく開いて編集できる。WYSIWYG編集が可能かどうかも判定してくれるようになっており、ダメならテキストファイルとして扱われる。

その他

SVGを利用した新しいアイコンが用意されたほか、UUIDも新しい値が設定された。どちらもKompoZer 0.7とは一線を画すための措置といえる。

KompoZer 0.9に向けて

主要な開発者はFabien Cazenave氏一人だけ、あとはローカライズとQAの担当者が一人ずつという小規模なグループで開発が続けられているKompoZerだが、0.9でさらなる飛躍を目指す。

プレゼンテーション資料によると、KompoZer 0.9はGecko 1.9.3(Firefox 3.7のベース)を採用する予定で、TraceMonkeyを利用したパフォーマンスアップや、HTML5のサポートを見込む。XPFEを捨ててToolkitへと移行し、SeaMonkey 2.1のComposerと多くのコードを共有する。また、サイトマネージャ、CSSエディタ、DOMエクスプローラはアドオンとして提供されるようになるほか、サムネイルの生成機能やページレイアウトのデザイン機能、テンプレートの管理機能などが実装されるという。

SeaMonkey 2.1とコードを共通化できるなら、同じことをThunderbird 3.1との間でもできないものだろうか。HTMLメールの編集画面を洗練されたものにできそうなのだが。