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Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

Firefox 3.6が3.5からの自動更新で提供される可能性高まる

CNET Japan『モジラ、「Firefox 3.6」をマイナーアップデートに位置づけか?--幹部が示唆』で報じられているとおり、Firefox 3.6が3.5からの自動更新で提供される可能性が高まってきた。Firefox 3.5.3が3.5.4にアップデートされるのと同じ方式で、たとえばFirefox 3.5.5が3.6.0にアップデートされるわけだ。

mozilla.dev.planningのスレッド『How do we update from Firefox 3.5 to 3.6?』では、賛否両論が飛び交っている。しかし、開発総責任者のMike Beltzner氏は、かなり明確に自動更新の導入を推しており、主要開発者の一人Benjamin Smedberg氏も賛成側だ。

当然のことながら、このアップデートはアドオンの互換性の問題をもたらす。アップデート直後は、かなりの数のアドオンが未対応ということでオフにされるだろう。この点についてBeltzner氏は、それもやむを得ないという立場である。むしろ、アドオン開発者の自発的な更新を待つよりも、アドオンのバージョンアップを早める効果があると考えているようだ。

Firefox 3.5がFirefox 3.6に置き換わってしまうことで、3.5.x系列の開発は打ち切られる。ベースとなるGecko 1.9.1.xもメンテナンスされない。となると、同様にGecko 1.9.1.xをベースにするThunderbird 3.0やSeaMonkey 2.0に影響が出るが、Smedberg氏の意見では、それらのアプリケーションの開発者らがバックポートを行ってメンテナンスするか、あるいはGecko 1.9.2に乗り換えるべきということになる。

Firefoxのアップデートに関しては、以前『ブラウザはどこまで自動でアップデートすべきか』で検討した。そのときの結論は、「ユーザーが適切にアップデートを保留する機能が備わるならば、メジャーアップデートをセキュリティアップデートの方式で提供することも十分検討に値する」だった。しかし、今回の議論では、ユーザーが保留する機能を実装する話にはなっていない。

しかも、Mozillaのインフラにかかる負担を事前に計算していなかったらしく、インフラ担当のJohn O'Duinn氏が、Firefox 3.5と同じように「ソフトウェアの更新を確認」した人にだけアップデートを提供する方式を提案したいと発言している。たしかに、Firefox 3.6のリリース日には行わないとしても、自動提供化によって生じるサーバーや回線への負荷は相当なものになるだろう。

Mozillaは、なぜそこまでしてアップデートを推し進めたいのか。「Webブラウザの技術開発ペースが加速している今、モダンなWebブラウジング体験をユーザーに確実に提供し続ける必要がある」というのが、Beltzner氏の説明ではある。だが、これは少なくとも本音の一部でしかないだろう。おそらく、Google Chromeへの対抗意識が潜んでいる。Chromeにシェアを奪われないためには、アップデートの方式を近づけて、最新版を広く利用してもらう必要があると考えた可能性は高い。

そして、Smedberg氏がわずかに言及しているが、Firefox 3.7 / 4.0の開発をしながら、Firefox 3.5 / 3.6のメンテナンスを続けることによって生じるコストを減らしたいのだ。3.6に一本化できれば、コストはかなり低下する。そうはいっても、このような開発者側の事情が、膨大なユーザーに対し、一時的とはいえかなりの不便を強いることを正当化できるだけのものといえるのか、疑問は残る。