NetApplications社の月例統計によれば、2009年8月時点におけるFirefox全体のマーケットシェアは、22.98%である。7月が22.47%だったので、0.51%の伸びであり、5月の22.75%を超えて過去最高を記録した。
一時期シェアの伸びが止まってしまい、長期停滞への予兆かと危ぶまれたが、力強さを取り戻したのは喜ばしい。参考指標となるStatCounterのデータを見ても、Firefoxの8月のシェアは31.28%と前月の30.5%から上昇しており、踊り場を過ぎたと考えてよいだろう。
ライバルの動向は次のようになっている。
IE | Safari | Chrome | Opera | |
---|---|---|---|---|
2009年6月 | 68.32% | 3.79% | 2.40% | 2.03% |
2009年7月 | 67.68% | 4.07% | 2.59% | 1.97% |
2009年8月 | 66.97% | 4.07% | 2.84% | 2.04% |
Internet Explorerは緩やかにシェアを下げ続けている。IE8は既にWindows Updateなどで提供済みだから、Firefoxを含めた競合ブラウザは一つの波を乗り切ったといえそうだ。次の波はWindows 7で、こちらの影響は未知数である。
Safariは前月と変わらず、Google Chromeは順調な伸びで、Operaは6月の水準まで回復した。とりわけChromeは着実にユーザーベースを拡大している印象だ。開発版の様子からすると、テーマに対応したバージョン3のリリースも近いはずで、メジャーアップデートがあればメディアへの露出も高まる。勢いが落ちそうな気配は全くない。
次に、NetApplications調べによるバージョン別のシェアでは、Firefox 3が12.48%、Firefox 3.5が8.88%(前月+4.34%)となっている。メジャーアップデートのオファーが功を奏したものとみられ、Firefox 3.0.x系列から3.5.x系列への乗り換えが進んでいる。このペースでいけば、来月にも両者のシェアは逆転するだろう。
これに対し、IE6は25.25%(前月-1.96%)で、明らかに落ちてはいるものの、なおバージョン別ではトップを保っている。IE8は15.10%(前月+2.64%)までシェアを増加させた。このままいけば、年内にはトップの座に就きそうだ。
最後に、9月のFirefoxシェアを予想しておく。意外にも8月はシェアが大きく伸びたわけだが、このまま続くとは考えにくい。また、月末の3.6 Beta 1の他にユーザーの目を引くニュースも乏しい。ただ、Firefox 3.5.3のリリース時に、Flashプラグインのアップデートを呼びかける点は一定の注目を集めるだろう。これらの事情を踏まえて判断すると、23%は突破するが、比較的小幅な上昇にとどまると思われる。