Mozilla Flux

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闇雲に復元するのではなく

小さなものから大きなものまで、活発な動きを見せるFirefox Projectsだが、「Per Tab Network Prioritization」は、小粒ながらユーザーのストレスを減らす、なかなか重要な試みといえる。

FirefoxのアップデートやOSのリブート後、どうしてもお世話になるのがセッション復元機能だ。複数のタブやウィンドウを開いた状態でFirefoxを終了しても、ちゃんと元どおりにしてくれるわけだが、大量のタブを開いていた場合、完了までの時間はどうしても長くなる。

そこで、タブに優先順位を付け、高順位のものから復元していくとともに、一度に読み込むタブの量も調節しようというのがこのプロジェクトの目標だ(Bug 496458)。ウィンドウはアクティブか、バックグランドか、最小化されているか、そしてタブはフォーカスされているか。こうした要素を考慮して、最高・高・ふつう・低・最低の5段階に分ける。アクティブなウィンドウのフォーカスが当たったタブは真っ先に読み込まれるから、ユーザーは復元が早くなったように感じるだろう。

ここまではFirefox 3.6での導入を考えている部分である。3.7では、ページの閲覧日時の新旧も加味される予定で、よりきめ細かく順位を決めることができるようになる(閲覧が最近のものほど順位が上)。そして、これを受けて、一度に読み込むタブの数を設定しておくことで、処理が競合して停止状態に陥るのを避ける。

プロジェクトのページでは触れられていないが、閲覧日時の新旧を考慮して順位を決めるなら、セッション復元の場面にこだわる必要はない。ブックマークフォルダ内のページをまとめて開く際にも応用できそうだ。