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Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

先週のMeeting要旨 090726版

先週開かれた開発者ミーティングから、注目の情報を選んで掲載。日時はすべて米国太平洋夏時間(PDT)が基準で、日本時間とはずれる。

Firefox Product Delivery Meeting(2009-07-22実施)

まずはFirefox 3.6に関する話題から。Alpha 1のコードフリーズや、mozilla-1.9.2ブランチの作成時期についてミーティングで議論されたのだが、スケジュールの発表は後日行われたので、『Code freeze for Firefox 3.6a1 and upcoming mozilla-1.9.2 branch』なども参照する必要がある。

一連の情報によると、3.6 Alpha 1は7月29日にコードフリーズし、早くも7月31日にはリリースされる。そして、mozilla-1.9.2ブランチは8月7日の作成だ。やや遅れてブランチが作成されるのは、Compositorのフェーズ1が完成するのを待つためらしい。

見てのとおり、コードフリーズからリリースまでの期間が非常に短い。自動化テストと、最小限の手動テストでQA(品質管理)をパスさせるのだろうが、日本のユーザーにとってはるかに重要なのは、3.6 Alpha 1がローカライズされない点だろう。en-US版しか出ないとなれば、英語のメニューのまま使うか、有志が作成した言語パックを適用することになる。

この一事からも、Firefox 3.6<は>リリース時期を優先していることが分かる。では、短い開発期間の中でどこに重点を置くのか。ミーティング要旨は、それが「パフォーマンスの改良」であると伝えている。
(同日追記)コメント欄のご指摘を受けて修正。

次に、Firefox 3.5.2について。8月初めのリリースをターゲットにしており、このバージョンから、3.0.12ユーザーにメジャーアップデートが通知される予定だ。

最後に、アドオン関連。Firefox 3.5.xとの互換性が94%になった。また、AMOは、コレクション機能の強化(Bandwagon Phase II)、Fennecを対象アプリケーションに含める作業、そしてJetpackベースの拡張機能を収容するロードマップの策定に取り組んでいる。

Development Meeting(2009-07-21実施)

Firefox 3.6 Alpha 1に必ず入れなければならないものとして、interruptible reflow関連のいくつかのバグや、 Compositorフェーズ1などが挙げられた。後者に関して、Alice0775氏が伝えているとおり、”Bug 352093 - Remove child widgets from content area”が最近修正されている。これにより、まとめサイトのように一ページが長いものを読み込んだ場合でも、「ブラック矩形が表示されたり, クリッピングされて表示されないとかなくなる」だろう。

フロントエンドでは、非同期ロケーションバーやフォームのオートコンプリート機能が入りそうだ。また、Control Tabが新しくなったものの、デフォルトではオフの状態となり、ユーザーからのフィードバックも参考にしながら改良を続けていくそうだ。検討中のアイデアとして、現在のようなポップアップ式にせず、タブ一覧を一つのタブに表示させてはどうかというものがある。

Alpha 1以降についても、各チームからいろいろ報告があった。たとえば、グラフィックスチームは、Decode-on-drawのほか、Windows 7のサポート(Aero peekやJumplistなどへの対応)、ペアレンタル・コントロールの導入、Windows XPでもダウンローダブルフォントでClearTypeを有効にすることなどを目標としている。

レイアウトチームからは、Compositorのほか、CSS gradientとCSS background-sizeをサポートすると報告された。一方、interruptible reflowはデフォルトでオフにするとしており、パフォーマンスに重点を置くという全体の方針とやや齟齬があるように見える。

JavaScriptチームは、MozillaWikiでJavaScript:SpiderMonkey:GC Futuresを公開。また、Adobeが開発中のJITエンジンとも統合を図る。あと、ミーティングでは触れられていないが、TraceMonkeyのjit.chromeがデフォルトでオンになるかも注目すべきだろう。

Electrolysis絡みでは、専用のブランチが作成され、tinderbox: Electrolysisも公開されている。Another朝顔日記『マルチプロセスな Firefox、Electrolysis キタ』も参照。今後はこのブランチをベースにするわけだが、Trunkの開発内容も随時反映していくはずである。

ただ、Firefox 3.7のリリース時期が比較的早く設定されたので、Electrolysisの開発成果がフィードバックされるかどうかは予測がつかない。

ちなみに、サブプロジェクトで、Fennecのマルチプロセス化の可能性も探っていくそうだ。
Firefox 3.5.2の開発に関して、Bugzilla@Mozillaのフラグ設定が従来のものから変更された。『Changing how we use flags for branch management in Bugzilla』で詳しく述べられているが、「status1.9.1」というフラグが導入され、副次的な値と組み合わせることで、「wanted1.9.1.x」のフラグや「fixed1.9.1.x」のキーワードなどを置き換える。もともと開発総責任者のMike Beltzner氏が、今年2月に『Flagging down the future』の中で、現在のフラグはwantedや"-"など要素が多すぎて複雑すぎるので、整理すべきだと述べていた。それが今回ようやく形になったわけだ。

なお、Firefox 3.5.xのダウンロード総数は3500万を超えた。

Thunderbird Status Meeting(2009-07-21実施)

Thunderbird 3 Beta 3がリリースされ、Beta 4の開発に向けて動き出した。80個弱のBlockerバグがあり、これをどの程度の期間で潰せるのかが問題だ。Beta 3に盛り込むはずだった機能に関しては既にある程度まで作業が進んでいるので、再度の長期停滞は避けられるはずだが……。

自動化テストにMozMillを使う話が進んでいる。ずいぶん熱心だなと思っていたら、Firefoxの開発で成果を上げているらしい。『Use Mozmill to run automated smoketests for Firefox 』によれば、23個のテストを走らせるのに2分で済み、これは手動の場合よりも8倍以上早いのだそうだ。Thunderbirdの開発でもこうした大幅な効率アップが期待されている。

それから、Thunderbirdのオートアップデート用サーバーが、Mozilla Messagingの自前のものへと完全に移行した(Bug 487629)。これまではMozilla Corporationにホストしてもらう部分が残っていたのだ。