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Jetpack 0.4で録音とページ改変のAPIを追加

前のバージョンからわずか6日でJetpackのアップデートが行われた。新しい0.4は、リリース目標日こそロードマップにほぼ沿っているものの、追加された実験的なAPIは、録音とページ改変という、予定に書かれていないものだった。

Jetpack 0.4 - Audio Recording & Page Mods APIs』が伝えているところでは、音声録音がWindows、Mac OS、Linuxの全環境でサポートされた。「Audio Recording Demo」というサンプルも公開されているが、これについては開発者自ら解説した『Audio recording in the browser』を読むのがわかりやすい。

このAPIを利用すると、マイクから入力された音声データはOgg/Vorbis形式でエンコードされる。既に実装済みのストレージ機能を利用してファイルを保存しておくことができ、また、やはり実装済みのSlideBarからリストを呼び出せるから、上記サンプルでは、あるページを訪問時にボイスメモを作成しておくと、再訪時に通知してくれ、該当するメモを聞き直せる。Firefox 3.5がOgg/Vorbisをネイティブサポートしているため、プラグイン等は一切不要である。

もう一つのページ改変は、Greasemonkeyにヒントを得たものだという。改変を担当する関数と対象となるページを指定するだけのシンプルな構造であり、ページの指定にはワイルドカードを使える。たとえば、「Blacklist Sites」というデモでは、勤務時間中に特定のWebサイトを閲覧できなくしている。

Firefox.nextが3.6と3.7に分かれてしまったため、見とおしが悪くなったが、JetpackをFirefox本体に統合する計画は既に動き出しており、おそらくFirefox 3.7で実現するだろう。計画によれば、APIを整備して著名なアドオンが提供する機能の80%以上をカバーし、Featureをアドオンマネージャから管理できるようにするそうだ。つまり、JetpackベースのFeatureも「first-class add-on」として、通常のアドオンと差を付けない方向に進んでいく。

この壮大な計画を達成するためにも、JetpackのAPIは迅速に開発される必要があるわけだ。ロードマップによると、バージョン0.5のリリース目標日は8月4日。次はいよいよメニューバーやツールバーへの項目追加が可能になりそうな気配である。