Mozilla Flux

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Firefox 3.5へのメジャーアップデートが容易に

Firefox 3.5がリリース当日からFirefox 3ユーザーに対しアップデートの形で提供されることは、当ブログでこれまで何度か触れてきた。ヘルプメニューの「ソフトウェアの更新を確認」をチェックすると、わざわざダウンロードサイトに赴かなくてもFirefox 3.5が手に入る仕組みだ。Firefox 3がリリースされたわずか1年前と比べても、大きな進歩である。

だが、アップデートシステムの改善はそれだけにとどまらない。MozillaのJohn O’Duinn氏が『Major update to Firefox 3.5』で説明しているところによると、今後はFirefox 3.0.x系列の最新版を利用しているユーザーに対し、常にFirefox 3.5.x系列の最新版が提供される形になる。

従来の例と比較してみよう。ここにFirefox 2.0.0.18のユーザーがいるとする。このユーザーが現在の最新版である3.0.11にアップデートする場合、次のようなステップを踏まねばならない。

まず、Firefox 2.0.0.20へアップデートする。次に、Firefox 3.0.10へのアップデートを行う。メジャーアップデートの提供元が限られているから、一気に3.0.11に移行することはできない。ここまできてようやく、3.0.11へのアップデートだ。つまり、Firefox 2.0.0.18→2.0.0.20→3.0.10→3.0.11という流れになる。

しかも、これはFirefox 2の開発を終了した現在だからこうなっているだけで、本来はメジャーアップデートの提供元だけでなく、提供先も限られていた。だからたとえばFirefox 2.0.0.18から3.0.4へのアップデートに設定されていたときは、Firefox 2.0.0.20にバージョンアップしてしまうと、次のメジャーアップデート提供まで3.0.4に移行できなかった。

今後は、こうした制約がなくなる。Firefox 3.0.x系列のユーザーは、はじめにその系列の最新版にアップデートしておけば、3.5.x系列の最新版へと即座に乗り換えることができる。Firefox 3.0.11→3.0.12→3.5.1といった具合に。とてもシンプルだ。

なお、O’Duinn氏の説明はないが、Firefox 3.0.x系列の最新版がリリースされたときは、メジャーアップデートの提供先も変更されるものと思われる。つまり、メジャーアップデートとセキュリティアップデートがバッティングすることはない。

以上とは別に、責任者がGoサインを出したときは、メジャーバージョンアップの通知が各Firefoxユーザーのアップデートシステムに送られる。ユーザーがしばらく様子を見たいと考えるなら、その通知が届いてからFirefox 3.5に移行することも可能だ。このように、Mozillaはユーザーの要望に対応した柔軟なシステムを構築した。相当コストがかかっただろうが、見返りは大きいはずだ。