Mozilla Flux

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Ubiquity 0.5がプレビュー版として登場

革新的なUbiquity 0.5については、少し前に軽く紹介した。そのときの様子だと最初から正式版が出そうだったのだが、実際にはまずプレビュー版としてリリースされた。とはいえ、Ubiquity 0.5 Preview Releaseは、フル機能を備えており、ユーザーからのフィードバックを受けて修正を施したのち、近々正式版となるものだ。現在Mozilla Labsの該当ページからダウンロード可能になっている。

Ubiquity 0.5の目玉は、何といっても国際化された新パーザの搭載である。about:ubiquityで設定を呼び出し、使用言語を日本語に変更してからFirefoxを再起動すると、Ubiquityは日本語によるコマンドを認識するようになる。この場合、区切りとしてスペースを入力する必要もない。

英語版をベースに話を続けるが、コマンドは整理されてハイフンを使わなくなった。また、インタラクティブなチュートリアル(about:ubiquityから呼び出せる)がついたことで、初めてのユーザーも動作の基本が掴めるようになっている。説明文のとおり操作すると、説明文自体が変化していくので楽しい。なお、本チュートリアルはWebブラウザ内で完結しており、この点も目新しいのではないか。

もう一つ、サジェスト機能の改良もポイントである。ユーザーが名詞を入力した場合、これまではUbiquityがあらかじめ持っていた情報でしか対応できなかった。しかし、新バージョンではネットに照会をかけて意味を探ってくれる。たとえば、ユーザーが「pasta」と打ち込んだら、それはレストランの検索ではないかと判断し、それに基づいた提案を出してくれるのだ。

これら素晴らしい機能を有するUbiquity 0.5のプレビュー版だが、残念ながら動作の不安定さは否めない。テキスト選択を行ってからUbiquityを呼び出す際にパフォーマンスが大幅に落ちるため、たとえば筆者の環境だとチュートリアルを終えることができない。一時的に応答不能状態に陥り、いったん元に戻るものの、そこから先はまともに動作しないのだ。加えて、パーザを日本語に切り替えた場合、やはり応答不能になることがある。前者の問題は開発者も認識しているので、0.5正式版までに修正されるだろう。対する後者の問題は根が深いかもしれず、対応はUbiquity 0.5.1を待たねばならない可能性が高い。

ロードマップによれば、Ubiquity 0.5の後は、今年第3四半期の前半に0.6、同後半に0.7がリリースされる予定だ。さらに、第4四半期に出るとされる0.8では、JetpackとUbiquityが統合される。具体的には、Jetpackをベースとし、UbiquityはJetpackのアプリケーションとなる。逆に言えば、JetpackはUbiquityをその上に構築できるくらいにまで強化されるわけだ。そして、UbiquityのUIは開発者が容易に拡張できることだろう。
(同日追記)不正確な表現を改めた。

Ubiquity 1.0は、2010年第1四半期中のリリースが目標である。

(09/06/27追記)
作者のmitchoさんがコメントを書いてくださったので、コメント欄もぜひ参照してほしい。0.5pre2がリリースされ、テキスト選択時に動作が不安定になるバグが解消された(上にリンクを張ったMozilla Labsのページから再度ダウンロードする必要がある)。

また、0.5正式版は6月30日にリリース予定だが、うまくいけば日本語コマンドを入力した際に応答不能になる問題もそれまでに直るかもしれない。

(09/06/29追記)
mitchoさんから追加のコメントを頂いた。フリーズの原因が判明したので、日本語コマンドを入力した際のバグは0.5正式版では直っているそうだ。