Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

Weekly Updates 2009-06-08

Mozillaのプロジェクト全体について開発状況を報告し合う会議が毎週開かれている。その報告のまとめがWeekly Updatesだ。2009-06-08版(米国太平洋夏時間:PDT)から注目の内容をピックアップ。

Firefox 3.5関係

Firefox 3.5 Preview(beta 99)がRC1の前に出ると報告され、この点は予想どおりだったのだが、予想と違ったのは、リリースのタイミングである。今日あるいは明日にもリリースするとのこと。Beta 4のときと同じく、RC1向けのQA作業を省略したのが大きい。

Firefox 3.5 Previewの位置づけは、ここ6週間の開発成果をBeta版ユーザーに届けるとともに、正式版に対するBlockerバグを見つけやすくするというもの。ここでフィードバック期間をどの程度とるかによって、正式版リリースの日程が変わってくる。

現在RC1のコードフリーズを妨げる実質的なBlockerは、JavaScriptに関するBug 496790だけだが、Firefox 3.5 PreviewのBuild 1を用いたテストデーでは、非Blockerのバグが6個(Bug 496581など)見つかった。今後3.5 Previewでユーザーが増えると、バグ報告も増えてくるだろう。加えて、Mozilla Corporation内でも社員総出のテストデー(6月11日)が計画されており、ここでも一定の成果が上がると期待される。

製品一般

Thunderbird 3 Beta 3は引き続き作業中。スケジュールも未定。

Firefox 3.0.11は6月11日のリリースで確定のようだ。3.0.12は今のところ7月15日に出る予定だが、一週間遅れる可能性があると報告された。また、Thunderbird 2.0.0.22も6月16日の予定よりは遅れてリリースされる模様だ。

その他

Fastest Firefoxキャンペーンが実施中。内容については、Mozilla Links日本語版の『ブラウザと同じくらい速く』が参考になる。ポイントは、「ユーザーが」「人より速くできる技などを30秒以内の動画で披露する」こと。Mozilla自らがベンチマークでパフォーマンスをアピールすれば、それが自社比であっても他社のスピード競争に巻き込まれる。そこで、搦め手から「Firefoxは速い」というイメージを醸成しようとするものとみられる。なかなか巧みなマーケティングだ。

もう一つのキャンペーンは、「Firefox 3.5 in 35 days」で、こちらはWeb開発者向けにFirefox 3.5の新機能の数々を紹介していく。hacks.mozilla.orgに記事が投稿され、デモも公開される。MozillaWikiにはスケジュールも。

Mozilla Add-ons(AMO)の全面リニューアル(v5.0.6)は、6月9日の予定とされていたが、10日にずれ込むかもしれない。Web開発チームとAMOチームで報告する日付が食い違っているため、確定できない。

また、早くもAMO 5.0.7が視野に入ってきた。寄付機能のパイロット版やタグによる分類機能を導入する5.0.7は、6月30日のリリースを目標とする。一時は7月にシフトするような雰囲気だったが、AMOチームの働きは素晴らしい。

アドオンの互換性だが、Java Consoleのアップデートにより、72%がFirefox 3.5に対応済みとなった。これで主要なアドオンで未対応のものはFirebugのみ。ただしこちらもBeta 1に到達している。

Mozilla LabsはPersonas 1.2のリリース候補版を作成済み。正式版の公開も近そうだ。

support.mozilla.comは、明日1.1へのアップデートがあり、いよいよスクリーンキャストが導入される。ナレッジベースの解説に、動画が加わるわけだ。

Mozilla.orgのリニューアルは、暫定的に6月30日とされた。