Mozilla Flux

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バグに関する話題 090524版

前回に引き続き、Firefox 3.5 RC1に反映されることになるShiretoko Nightlyの修正点を見ていこう。

まずは、”Bug 490937 - speculative parsing occasionally fails”が読み込み速度にいい影響を及ぼしそうだ。Firefox 3.5で導入された投機的解釈機能がときどき働いていなかったのを修正したというもので、スクリプトやスタイルシートを多用するWebページでは、ロード時間がこれまで以上に短縮されるケースがみられることだろう。

一般的なパフォーマンスに関して、Mac OS X版限定だが、”Bug 494095 - Use -O3 for Mac Builds”というものもある。コンパイラ(gcc 4.01)の最適化オプションを変更し、起動を除く各方面で数%の速度アップを実現。ただしバイナリサイズが増加した(16.9MB → 17.8MB)。

使い勝手に影響しそうなのは、”Bug 491883 - Clear Recent History removes pages (URIs) from history instead of visits”である。Firefox 3.5の新機能の一つ「最近の履歴を消去」は、デフォルトで「1時間以内の履歴」を消去するのだが、これまではその1時間内に含まれるWebページはすべて消去されていた。一見何の問題もなさそうだが、あるWebページを頻繁に訪れていたとして、それが1時間内に含まれていると履歴から消えてしまう。言い換えると、スマートロケーションバーの表示順位がトップのものでも、リストから外されていたのだ。それでは不便なので、純粋に訪問履歴だけが消えるようになった。

「最近の履歴を消去」関係では、”Bug 489958 - New Clear recent history dialog shows unnecessary scrollbars with details expanded”も挙げておきたい。詳細表示画面では全項目が最初から表示され、スクロールの必要がなくなった。

他に使い勝手にかかわるものとして、”Bug 488796 - form history should not save extremely large values”も目に付くところだ。NAMEフィールド、VALUEフィールドともに半角換算で200文字までしか記憶しないようになった。無制限に記憶するとパフォーマンスが落ちるという理由である。

Ogg形式の動画の再生機能では、シーク機能の改良がはかられた。『Video seeking improvements』によれば、一つはシーク速度の向上(Bug 469408)で、もう一つはシーク時に不自然な画面が出ることの抑制(Bug 463358)である。

前者は、Firefox 3.5に入ったメディアキャッシュを利用することで、シーク後のフレームがキャッシュ内にあるときは、サーバーとの通信が不要になったというもの。後者は、シーク後のフレームに差分情報しか含まれていない場合でも、キーフレームを探し出してきちんとデコードしてから表示する点がポイントだ。ただし、近い時間にキーフレームがないなどの原因でデコードが追いつかなければ、当然表示は崩れる。

以上のほか、”Bug 404541 - [MSFT-7816] on Vista / Windows 7 installer does not elevate or ask to be elevated”は、Vista / Windows 7で管理者権限のないユーザーがインストールできない<に困難をきたす>バグだが、これも修正された。
(09/05/25追記)
えむけい さんのご指摘を受けて記述を修正した。Bug 404541の正確な内容についてはコメント欄参照。